話題・その他

「教室の欠片」で医療支援 ユニークなクラウドファンディング返礼品

 建て替えで解体された校舎の“欠片”をクラウドファンディング(CF)の返礼品にすることで寄付を集め、新型コロナウイルス感染に立ち向かっている医療従事者らの支援に使ってもらう取り組みを、関西大倉高校(大阪府茨木市)の生徒たちが進めている。感染防止のため縮小された文化祭の模擬店などに代わる企画だったが、逆に「今だからこそできる」活動と前向きにとらえ、校外にも発信する取り組みに発展させた。

 10月9日からスタートしたCFは、すでに最初の目標額の10万円を超えたが、生徒たちは“ネクストゴール”の20万円を目指して継続。集めた寄付金は手数料などを除いた全額を、新型コロナ感染症の医療従事者を支援するために府が創設した「新型コロナウイルス助け合い基金」に寄付することにしている。

 CFのために生徒たちが用意した返礼品は、取り壊された校舎の壁を細かく砕いてガラスの小瓶に詰めた「教室のカケラ」約400個と、ホワイトボードに切り替えるため廃棄されることになった黒板をB5サイズにカットして額縁をつけた「ミニ黒板」100枚以上。数学科の小林悠一教諭が受け持つ3年4組の有志約10人が、放課後や早朝の学校に集まり、9月初めから約1カ月がかりで製作した。

 黒板は実はスチール製なため普通ののこぎりではカットできず、金属も切断できる電動のこぎりが必要になるなど、製作作業は予想以上に苦戦。額縁を100セットもそろえている雑貨店も見つからず、10回以上も足を運んで買い集めた。

 苦労も多かったが、“火花を散らしながら”黒板をカットした相澤巧人さん(17)は「みんなと協力できた喜びは大きい。薬剤師の母から現場の大変さを聞いていたので少しでも恩返しできれば」と笑顔。前田紗希さん(18)は「ボランティアに関心があってもできないでいたが、社会貢献を始めるいいきっかけになった」と力を込めた。

 CFは11月19日まで、インターネットサイトの「READYFOR(レディフォー)」(https://readyfor.jp/projects/kankura)で、寄付を受け付けている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus