和歌山県のまとめによると、今年夏季(7、8両月)の県内主要観光地7カ所の観光客数は、前年比23・0%減の240万6100人となった。観光客数は少なくとも過去10年で最少、減少幅も最大になった。新型コロナウイルスが直撃した格好で、国内の団体客や外国人観光客が激減したほか、各種イベントの相次ぐ中止や、学校の夏休み短縮などが影響したとみられる。
まとめによると、観光客数の内訳は、宿泊が49万8500人(前年比39・4%減)、日帰りが190万7600人(17・2%減)だった。
観光客数の前年比減少率を地域別にみると、和歌山市17・4%減▽高野町6・5%減▽田辺市龍神村6・7%減▽同市本宮町21・7%減▽白浜町33・3%減▽那智勝浦町18・3%減▽串本町43・0%減-と軒並み減少していた。
例年、京阪神方面などから多くの海水浴客が訪れる白浜町では今年、新型コロナの影響で海開きが7月23日となり、当初予定した5月3日から2カ月以上ずれこんだ。お盆休み期間中は例年並みのにぎわいを取り戻したものの、7、8両月は学校の夏休み短縮や南紀白浜空港の羽田便減便などが観光客数全体を押し下げた。
毎年多くの観光客が訪れる串本町も、新型コロナで団体客などが減少。花火の打ち上げもある集客イベント「串本まつり」が中止されたことなども響いた。
世界遺産・高野山のある高野町では、例年宿泊していた訪問者が新型コロナ感染防止のため日帰りに切り替えた影響で、日帰りが5・5%増となる一方、宿泊は80・9%減となる現象がみられた。
県の担当者は「新型コロナの感染状況を踏まえ、感染症対策と両立しながら、自治体、民間とも連携して誘客に努めていきたい」と話している。