電気自動車(EV)ベンチャーのGLM(京都市伏見区)は、高齢者向けの電動車いすを開発した。「自動車から乗り換えたくなるモビリティー(乗り物)」がコンセプト。今後、デザイン面の改良などを経て、2022年の発売を目指す。
電動車いすはハンドル型で、歩道で走行しても周囲に威圧感を与えずに溶け込めるよう、球体をベースにしたデザインを施した。行動的な高齢者も少なくないことから、ファッション性も重視した。
GLMは10年、京都大学のEV開発プロジェクトを母体に設立。スポーツカータイプの電気自動車を開発している。
電動車いす安全普及協会によると、19年度の電動車いすの国内出荷台数は約2万6000台。主なところではスズキがハンドル型、モビリティーベンチャーのWHILL(ウィル、東京都品川区)がジョイスティック型のものをそれぞれ開発、販売している。
高齢者による自動車事故が社会問題となる中、運転免許証の返納により、高齢者の移動手段がなくなるという課題も浮上している。自動車メーカーやベンチャー企業による電動車いすはそうした課題の解決に役立つとして注目を集めている。