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ZMP、自動1人乗りロボット「ラクロ」で高齢者の移動を支援

 ZMP社長・谷口恒さん(56)

 --コロナ禍の業績への影響は

 「自動運転開発キットの販売は激減した。工場、研究所のテストコースは再開しているが、一部メーカーでは研究開発費を削減する動きも出てきている。しかし、企業の工場などで従業員が密な状況で働けなくなった分、モノを無人で運べるロボットやサービスを提供する事業には追い風になっている」

 --10月から東京・佃の「大川端リバーシティ21」で高齢者向けの自動1人乗りロボット「ラクロ」のシェアリングサービスを始めた

 「高層マンションの地下駐車場を拠点に行き先を設定し、人の歩行スピード並みの時速3、4キロで高齢者を乗せたラクロが歩道を移動し、買い物や病院への通院、散歩などができる。ラクロはセンサーで周辺の歩行者、自転車、信号の色なども識別し、全自動で運転する。料金は月額乗り放題で1万円、10分で370円だ」

 --シニアカーや電動車いすとの違いは

 「最近は運転免許返納のプレッシャーもあり、電動車いすにも運転が難しいという課題がある。高齢者が室内に引きこもれば、病気になってしまう。コロナ禍で高齢者を職員が車いすに乗せて散歩することも難しくなった老人ホームからもラクロ利用の要望がある」

 --サービスの拡大は

 「ターゲットは全国の高層マンション群。こうしたマンション群があるエリアには1キロ範囲内に病院、学校、コンビニエンスストアなどが集まっている。利便性が高いロボットがあれば、住民の生活に役立つだけでなく、マンションの資産価値も高まる。高齢化した住民が車を手放して生じた駐車場の空きスペースも有効活用できる。ラクロの台数や行き先を増やし、築地や晴海などにもエリアを広げていく」

【プロフィル】谷口恒(たにぐち・ひさし) 群馬大工学部卒。東京芸大大学院美術研究科博士後期課程修了、美術博士。制御機器メーカー、商社勤務やネットコンテンツ会社起業などを経て、2001年にZMP創業、現職。

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