金融

政府・日銀が地銀再編へ3点セットで圧力 「補助金」「特例法」「優遇金利」

 政府と日本銀行が地方銀行に対する再編圧力を強めている。少子高齢化や地場産業の衰退、低金利環境の長期化で、地銀は収益力を失ってきた。新型コロナウイルスの感染再拡大で、多くの中小企業や家計が打撃を受けており、地銀が果たすべき役割はますます重要になる。政府と日銀は「補助金」「特例法」「優遇金利」の3点セットで、地銀に再編や経営体力強化を促している。

 菅義偉(すが・よしひで)政権の発足以降、政府と日銀は地銀再編を後押しする政策を矢継ぎ早に打ち出している。目玉となるのが次の3つの取り組みだ。

 1つ目は、経営統合や合併する地銀に補助金を交付する新制度だ。政府は2021年夏の創設を目指している。1件当たり最大30億円程度、システム統合費用などとして使ってもらう。

 2つ目は独占禁止法の特例法だ。今月27日に施行される。同じ地域の地銀同士が合併しやすくなる。

 最後は日銀が導入する新制度だ。経営統合を決めたり、収益力強化を進めたりした地銀を対象に、日銀当座預金の残高に年0.1%の金利を上乗せする。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は18日の衆院財務金融委員会で「新制度は金融システムの安定が目的だ」と説明した。

 政府や日銀の働き掛けについて、全国地方銀行協会の大矢恭好会長(横浜銀行頭取)は18日の記者会見で「金融システムの維持や金融仲介機能の発揮に懸念のある金融機関は真剣に考えてほしいというメッセージと受け止めている」と述べた。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、20年9月中間決算の発表を終えた上場地銀77社のうち、約6割の49社は連結最終利益が減益に、うち2社は最終赤字に転落した。コロナ禍で取引先の急速な資金繰り悪化が懸念される。大矢氏は「自己資本比率が低下していくリスクも踏まえ、資本面、収益面、経費面の改善を図っていく」と気を引き締めた。(米沢文)

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