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全工程で「人と地球に健康に豊かに」 気持ちがいいアイデアを形に

 Wow-Foodのジュースは国境をまたぎ、海を渡ってやってくる。農場、工場、輸送、保管、売り場、消費者と、それぞれの過程で世界に横たわるさまざまな課題と出合う。その解決に向けて多くの仲間と出会い、新しい価値が生まれる。結果として、世界全体の社会価値の向上をリードしていけるような企業になりたい。(Wow-Food社長・辻慶穂)

 もぎたて低温搾汁ジュース「Wow-COLD PRESS」の工場は、使用エネルギーの約8%をクリーンエネルギーで賄っており、この比率を上げていきたいと考えている。現時点で工場のある地域は、太陽光の供給量と使用量のバランスが取れていない。加えて、蓄電可能な期間が今の技術では短いため、本来使用できるはずのエネルギーが無駄になっている。

 農場に目を向けると、北米、欧州を中心とした北半球のかんきつ類(ミカン属)農場は、1990年代前半から病害虫問題に悩まされている。私も商社マン時代に海外の農場を経営し、土壌疲労、継続的な農薬・肥料使用による悪循環、作物不適合など、農場と作物が健康でない状態に日々、悩まされてきた。特に根ものは病の足が速い。Wow-COLD PRESSは、農場で使用する水は流水であるべきと考え、樹木年齢の入れ替え、休耕地確保、新耕地開発、灌水(かんすい)、病害虫履歴、世界的な地理的・地政学的なロケーションなど、健康な農場という観点から独自のプログラム、評価基準で見極めを実施している。

 また消費者に対しては、ラベルをはがさず、そのままリサイクルが可能なエコ対応型ペットボトルを提供している。東京・渋谷の代々木公園で、当社の飲料ボトルに水を入れ、マイボトルとして使っている人を見かけた。「リユースの新しい形」だと思い、ボトルのデザイン、ファッション性にこだわったことが環境貢献価値につながった事例といえるだろう。

 一方、輸送の環境負荷の軽減は、今後10年にわたる課題だと捉えている。企業として、そのまま搾ったストレートジュースを製造・販売しているのは「食べない部分の国際輸送を最小限にすることで環境負荷を抑える」ためだ。いま当社としてできる環境負荷軽減活動という考えから「生食代替」の供給を実施している。

 チルド輸送品は、乾燥したドライ品に比べ、全てのバリューチェーン(価値連鎖)において、より多くのエネルギーを消費している。だからこそ、全ての工程を当社の理念「人と地球に健康に豊かに」に基づき、なるべく自然由来のもので、つくり変えていきたい。気持ちがいいアイデアを形にするのは面白い。

【プロフィル】辻慶穂 つじ・よしのり 法大経卒。ユアサ商事、西本貿易(現西本Wismettacホールディングス)を経て、2015年Wow-Foodを設立。素材本来の力を生かしたもぎたて低温搾汁のジュース「Wow-COLD PRESS」や、植物性発酵飲料「Wow-Kombucha」などを開発・販売。46歳。石川県出身。

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