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携帯値下げ混迷 総務省と大手各社、議論が空中戦に (1/2ページ)

 携帯電話料金の値下げをめぐる議論が混迷してきた。携帯大手が傘下の格安ブランドで打ち出した低料金プランについて、武田良太総務相は27日の閣議後の記者会見で「何の意味もない」と批判した。当初は一定の評価をしてきたが、先週から突如、再び圧力をかける姿勢に転換。「まず、新プラン導入の効果を検証すべきだ」という見解の携帯大手とかみ合わないまま、議論が空中戦になっている感も否めない。

 「安いブランドから高い方に誘導し、高いブランドに囲い込むスキームを堅持している」。27日の会見で武田氏は携帯大手への不満を表明した。20日に「羊頭狗肉」「不適切」などと発言したのに続き、強い言葉で批判した。

 菅義偉(すが・よしひで)首相肝いりの携帯値下げをめぐっては、政府の要請を受け、10月末にKDDIとソフトバンクが格安ブランドでデータ容量20ギガバイト、3000~4000円台の新プランを発表。武田氏は当初「魅力的な選択肢が新たに出てくる」と評価した。

 事態が急転したのは11月20日の会見だ。「多くの方が契約する主力ブランドでは新プランが発表されておらず問題だ」と述べ、関係者を驚かせた。27日には「選択肢に中身がない」とさらにヒートアップした。

 「虎の尾を踏んだ」と携帯大手関係者はつぶやく。KDDIの高橋誠社長は25日の産経新聞などの取材で、総務省が格安への乗り換え促進策を推進中なのに主力ブランドを安くすると言えば、乗り換えが進まなくなるので「矛盾している」と指摘。これに対し、武田氏が、大手には囲い込み策があって、乗り換えが阻害されているから、主力ブランドを下げるしかないのだという主張で反論した格好だ。

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