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2030年代半ばガソリン車ゼロ 国内メーカーの電動化シフトに弾みも課題山積

 2030年代半ばに国内で販売する新車からガソリン車をなくし、全てを電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車にするという政府目標が定まれば、国内自動車メーカーの電動化シフトに弾みがつく。各社は強みのあるHVやプラグインハイブリッド車(PHV)を中心に電動化を進め、海外勢に後れをとるEV開発も本格化しそうだ。ただ、目標の実現には車体の軽量化や充電インフラの整備といった課題も山積している。

 トヨタ自動車は25年に世界で販売する新車の半分に当たる550万台を電動車とする方針を既に掲げている。年内には2人乗りの超小型EVや燃料電池車(FCV)の新型「ミライ」も発売を予定する。

 日産自動車も23年度までに8車種を超えるEVの投入を計画し、年間100万台以上の電動化技術搭載車の販売を目指す。

 今月23日に発売する新型コンパクトカー「ノート」には、独自のハイブリッド技術「e-POWER(イーパワー)」を全面改良し、全ての車両に搭載。来年中頃には最長610キロの航続可能距離を実現するスポーツ用多目的車(SUV)の新型EV「アリア」を発売する予定だ。

 ただ、電動化の徹底は容易ではない。国内で広く普及する軽自動車は手頃な価格と小回りのよさが特長。軽自動車にモーターだけで走れる本格的なHV技術を搭載するには大容量の電池が必要で室内空間が犠牲となる。車体が重くなれば燃費悪化にもつながり、さらなる軽量化が求められる。

 また、インフラ面でも課題が残る。調査会社の富士経済(東京)によると、35年にはEVの世界市場は19年比11・8倍の1969万台に拡大する見込み。PHV(996万台)やHV(675万台)を大きく上回ると予測されるが、EVの本格普及には外出先で充電できる設備を整備することが不可欠だ。

 一方、業界内では「政府が明確で高い目標を示すことはいいことだ」(自動車業界関係者)と歓迎する声も多い。今後は技術開発の加速や競争の活性化も期待できそうだ。(宇野貴文)

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