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東日本大震災乗り越えた東北新幹線 「コロナも」と気持ち新た

 東京-新青森駅間約700キロを結ぶ東北新幹線が全線開業して4日で10年を迎える。開業3カ月後に東日本大震災に見舞われたものの、順調に利用人数も伸ばし、東北全体の観光も活性化させた国内最長の新幹線。いまは新型コロナウイルス感染拡大による苦境にあえぐが、東北の人々は「この10年の経験でコロナも乗り越えられる」と奮闘を続ける。(荒船清太)

 「10年間でここまで変わるとは思わなかった」

 青森商工会議所の葛西崇専務理事は感慨深げだ。

 東北新幹線は昭和57年、大宮-盛岡駅間で始まり、60年に上野まで延伸。平成3年に東京、14年に八戸を路線図に加え、22年にようやく新青森駅までつなげた。新車両も導入し、東京-新青森駅間を最速2時間59分でつないでいる。

 22年度に8684人だった新青森-八戸駅間の1日当たり平均通過人員は昨年度は1万1244人に増加。今年度利用実績はコロナの影響で5月に前年同月比11%に落ち込んだが、10月は51%にまで回復した。

 平成28年3月に北海道新幹線が新青森-新函館北斗駅間で開業した際にはマイナス効果も懸念されたが、青森県観光連盟の高坂幹専務理事は「他都道府県の空港を利用した外国人の個人客が新幹線で来るようになった」と話す。

 一変したのが外国人観光客の数だ。23年に3万人だった青森県の外国人の延べ宿泊者数は昨年は35万人に。東北全体でも21万人から185万人に増えた。

 弘前市の体験型観光施設「津軽藩ねぷた村」を運営する中村元彦理事長(76)は留学生との交流を増やすなどして外国人客を大幅に増やした。「この10年は変化に追い付くのに必死だった」という。

 現在、外国人客はほぼ途絶えているが、コロナ後に開発したねぷたグッズがネット販売で人気となるなど新機軸も打ち出し始めた。約10年後の令和12年度末には新幹線は札幌まで延びる計画だ。中村理事長は「すべては新幹線から始まった。これからも変わり続けないといけない」としている。

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