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ドコモ完全子会社化…光回線の公正利用に懸念噴出 競合トップが有識者会議に出席 (1/2ページ)

 総務省は3日、NTTによるNTTドコモの完全子会社化をめぐり、他の通信会社との競争環境の公平性について検証する有識者会議の初会合を開いた。会合にはソフトバンクの宮内謙社長らドコモのライバルにあたる携帯大手トップが出席。第5世代(5G)移動通信システムの基盤となる光ファイバー回線の設備を独占するNTTがドコモと一体化すれば、競争が阻害されるとの懸念が相次いで示された。有識者会議は今後も議論を継続し、来年3月までに報告書を取りまとめる。

 「設備の公正な利用が実現しなければ、日本のデジタル化が進まなくなる。日本の浮沈がかかっている」

 宮内氏は3日の会合でドコモの完全子会社化に警鐘を鳴らした。

 初会合には宮内氏のほかKDDI(au)の高橋誠社長や楽天モバイルの山田善久社長も出席。携帯大手トップが顔をそろえる異例の開催となった。一方、NTTからは北村亮太執行役員が出席した。

 最大の論点になるのがNTTが持つ光回線設備だ。電電公社時代の資産を引き継いだNTT東西は、携帯電話の基地局や通信センターをつなぐ光回線で75%のシェアを握り、携帯各社もこのインフラに依存する。5Gの普及で光回線設備の重要性が高まる中、ドコモとNTT東西の経営が一体化すれば、ドコモに対して有利な条件で回線が提供され、競争が大きくゆがむ懸念がある。

 会合では携帯電話料金の値下げをめぐる動きが活発化する中で、高橋氏が「各社が切磋琢磨する上でも公正競争の確保が重要だ」と強調した。宮内氏もドコモが非上場企業としてNTTの完全子会社になることで「ドコモの収益が減っても、グループ全体で利益が上がればよくなる。何でもできるようになる」と巨大NTTの再結集に危機感を示した。

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