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大豆ミート本格展開 食品選び参考アプリも 「肉食減で脱炭素」試み加速

 2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするとの菅義偉首相の宣言を受け、肉食を減らす取り組みが注目されている。畜産業では、家畜のゲップに含まれるメタンや二酸化炭素(CO2)が大量排出され、脱炭素社会実現への課題となっているためだ。環境貢献への意識が高まりつつある中、消費者が手に取る商品がどれくらい環境に負荷をかけているかを調べるスマートフォンのアプリ開発も進む。

 コメダ珈琲店を運営する「コメダ」(名古屋市)が7月、東京・東銀座に開店させた新業態の喫茶店「コメダイズ」。動物の肉の代わりに大豆で作ったハンバーガーや、トースト用には乳製品のバターの代わりに塗る豆乳クリームなど、植物由来を原材料としたメニューが並ぶ。

 大豆や小麦、ソラマメなどを加工した植物肉の市場には、食肉加工の日本ハムや伊藤ハムも既に参入している。流通大手イオンも10月から大豆ミート製品の本格展開に乗り出した。

 狙いは「食」の脱炭素に関心が向く消費者ニーズをつかむことだ。ビートルズ元メンバーのポール・マッカートニーさん(78)が週1日は肉食を控える「ミートフリーマンデー」を提唱するほか、ネット上で影響力を持つ日本のインフルエンサーらが食の見直しを唱え始めていることも背景にありそうだ。

 市場調査会社シード・プランニング(東京)は、国内市場規模が今年346億円から、30年には780億円に達するとみており「首相の脱炭素宣言を追い風に、加速する可能性もある」と指摘する。菜食を心掛けているという小泉進次郎環境相も「気候変動と食の問題について情報発信していきたい」と、国内での広がりに期待を示す。

 総合地球環境学研究所(京都市)は、食品選びの参考にするアプリ「エコかな」を開発中。商品パッケージのバーコードを読み取ると環境のほか社会、健康への影響を5点満点で表示する。例えば、牛肉より鶏肉、肉類より野菜の方が環境負荷が小さく高得点となる仕組みだ。

 現状では企業が開示する製造過程の情報が限られ、個々の商品ではなく食品種類ごとの評価にとどまる。開発リーダーでアプリの精度向上を目指すスティーブン・マックグリービー准教授(41)(環境社会学)は「食と環境は密接な関係があり、一人一人が考えるきっかけにしたい」と語る。

 国連食糧農業機関(FAO)の報告では、人為的に排出される温室効果ガス全体のうち畜産業は14.5%を占める。メタンを含む牛などのゲップ、ふん尿などが要因。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は19年に「肉食を減らすこと」を温暖化対策項目として位置付けている。

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