金融

銀行の業務範囲拡大へ  

 金融庁が検討を進める銀行の業務範囲に関する規制見直し案の全容が判明した。デジタル化や地方創生といった社会課題に対応する業種であれば幅広く認める。高齢者の見守りサービスや障害者によるものづくりなど、多様な業務への活用を想定している。事業会社への出資制限も緩和し、ベンチャー企業への投資や事業再生を手掛けやすくなる。

 金融審議会の作業部会が年内にまとめる報告書案に盛り込み、来年の通常国会で銀行法改正を目指す。新型コロナウイルスの流行による社会や産業構造の変化に対応しやすい環境を整え、銀行の収益力の強化や地域活性化につなげる狙い。

 銀行法は、預金を集める銀行の経営が融資などの本業以外で悪化することを防ぐため、銀行本体やグループ会社に対し、営むことができる業務を厳格に定めている。

 これまで銀行のグループ会社は、金融庁から「銀行業高度化等会社」としての認定を受けた上で、フィンテックと呼ばれるITを使った新たな金融サービスや地域商社で申請する事例が多かった。規制緩和により、金融庁から認可を得られれば銀行の創意工夫次第で業務範囲が大きく広がる。

 自行が開発したアプリやITシステムの他行への販売や広告、登録型の人材派遣もしやすくなる。銀行界の要望が強い不動産仲介業は対象とならない。他業種への参入は、原則としてグループ会社に対して認めるが、小規模の銀行などには本体による展開も許可する。

 事業再生会社やベンチャー企業への出資規制も緩和する。地域活性化に関連する事業を手掛ける非上場会社に100%の出資を認める。現在、一部の例外を除き、銀行による事業会社への出資は5%まで、銀行持ち株会社は15%までに制限されている。

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 銀行業高度化等会社 銀行グループに銀行業以外の業務を認める目的で、銀行による5%超の出資を例外的に認められた事業会社。設立には金融庁の認可が必要で、要件を満たせば100%出資も可能。これまでは業種が地域商社などに事実上、限られていた。2017年4月に改正銀行法が施行されて以降、大手行や地銀などで約20社が設立されている。

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