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洋上風力発電「景観予想図」求める 千葉・銚子市長

 千葉県の銚子市沖で政府が洋上風力発電の発電事業者の公募を始めたことを受け、同市の越川信一市長が産経新聞のインタビューに応じた。地元の要望として市長は、景観保護の観点から事業に応募する企業に、2カ所の観光名所から見た場合の洋上風力発電が立ち並んだ“完成予想図”の市への提示と説明を求めた。

 発電事業者の公募は先月27日から秋田県沖と銚子市沖で始まった。選ばれた事業者は、対象となる海域を最大で30年間占有できる。

 洋上風力発電の計画公表後、秋田県では「景観破壊」などを理由に住民から反対の声が出ている。

 越川市長は「銚子では市民から反対の声はほとんどあがっていない」としながらも、「景観とマッチするのが大前提」と述べ、「地球の丸く見える丘展望館」などがある愛宕山(標高73・6メートル)と、海沿いの犬の形をした奇岩「犬岩」の具体的な2カ所を上げ、「そこから見た場合、こういう形になるというモンタージュのようなものをきちんと示してほしい」と事業者に提示と説明を求めた。

 その上で「風力発電が整然と並び、屏風ヶ浦と調和できるかどうかのイメージを示してほしい」とも述べた。屏風ヶ浦は旭市まで続く約10キロの断崖。国の名勝と天然記念物に指定されている。「洋上風力は銚子の新しい観光資源になる」としており、魅力的な風車の配置に期待を示した。

 市風力発電室によると、想定出力量は37万キロワット程度。名洗港から南西1~10キロほどの海域約3950ヘクタールに、稼働時には風車の直径約170メートル、高さ約200メートルの40基前後が立ち並ぶとみられる。

 公募は来年5月末まで。審査で来年10~11月に事業者を選ぶ。「銚子市沖では早ければ6~7年後の運転開始」(同室)という。

 洋上風力発電 海上に設置した巨大な風車で発電する再生可能エネルギーの一つ。生み出した電気は海底ケーブルを使って陸上に送る。陸上よりも安定した風が吹くことから、効率的な発電が可能。風車の土台を海底に固定する「着床式」と、水深50~200メートルの沖合に浮かべる「浮体式」がある。銚子市沖は「着床式」。

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