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「楽天ビッグ」を記者が検証、5G独自端末の実力いかに 回線安定性に地域差 (2/2ページ)

 ただ、独り立ちに向かうこのタイミングこそ、リスクともいえる。一定のカバー率に達したとしても、KDDIの電波と比べたら見劣りは否めず、屋内や地下などでつながらないような場所が増える可能性があるからだ。記者が約半年間利用している楽天スマホの11月の利用明細を確認すると、データ量の約1割はKDDI回線を使っていた。仮に記者の生活エリアで楽天が独り立ちをしていたら、データ通信を利用しようとしたうちの1割は圏外になっていたともいえる。

 楽天モバイルの山田善久社長も、11月4日の記者発表会で「(ローミングの見直しで)ごく少数だが、つながらなくなった方もいらっしゃって申し訳ない」と釈明に追われた。楽天によると、東京23区外で自宅が不通となった顧客もおり、別会社の回線が利用できる代替機を貸し出して対応しているという。

 2980円の定額料金で鳴り物入りで参入した楽天だが、NTTドコモが同額の新プランを発表するなど、競争激化で「楽天は終わった」と見る向きもある。

 ただ、希望がないわけではない。同社が独自に築いた基地局の仮想化技術は、ソフトウエアの更新で基地局を4Gから5Gに移行させることができる。電波が遠くまで届かないという特性のある5Gの基地局整備は、大手3社も苦戦しており、4Gの基地局が整えば楽天が一気に巻き返す可能性はある。

 来年からは海外の通信会社向けに仮想化技術の販売も開始する。ドコモ対抗の低容量プラン新設の検討も始まっており、楽天の底力が問われている。(高木克聡)

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