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牛の尿発酵させ消臭剤や堆肥に 北海道企業、海外で販路拡大

 北海道北見市のバイオ企業「環境大善」は、微生物を加えて発酵させた牛の尿を消臭剤や無臭の液状堆肥として売り出している。

 一般家庭のほか、海外の農家からの需要も増えており、担当者は「廃棄物を有効活用し、環境の改善に貢献できれば」と意気込む。

 11月、同社敷地のタンクには茶褐色の液体がたっぷりと貯蔵されていた。嫌な臭いは全くないが「元は牛の尿なんです」。窪之内誠社長(44)が笑顔で説明する。

 地元の酪農家から買い取った牛の尿に微生物群を投入し、発酵を進める。増殖した微生物群が消臭効果を発揮するほか、作物が効率よく栄養を吸収できるよう土壌を改良したり、水耕栽培でも作物の成長を促進したりすることが確かめられている。詳しいメカニズムは北見工業大などと研究中だ。

 事業開始は、酪農家が牛の尿を発酵させた液体を、窪之内社長の父、覚会長(77)のもとに持ち込んだことがきっかけだった。畑に散布したところ効果が見られ、2006年に覚会長が同社を設立して本格的に製造を開始。消臭剤や液体堆肥の年間販売量は計約600トンに上る。

 消臭剤は家庭だけでなく、自然災害の被災地でも活躍。環境大善が昨年10月の台風19号で大きな被害に遭った宮城県丸森町に無償で提供し、仮設トイレなどで使われた。

 液状堆肥は12年から海外に輸出。かつて農薬を使いすぎたことで土壌の回復が課題となっている発展途上国で販路を拡大している。昨年はベトナムやカンボジアなど5カ国に輸出し、売上高の約1割を占めた。

 窪之内社長は「海外でも効果を実感してもらえている。(牛の尿という)これまで利用されていなかったバイオマスを生かし、今後も増産を目指す」と話している。

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