（提供：キリンビール株式会社）
新型コロナウイルス感染拡大の影響で「外出自粛」ムードが流れ、人々の健康意識の高まりから “ビール離れ”が起こる中、日本で初めて（※2）糖質ゼロを実現したビール「キリン一番搾り 糖質ゼロ」が異例の売り上げを記録している。ビール本来のおいしさと糖質への配慮を両立し、幅広い層の支持を獲得した同商品は、10月の発売からわずか1カ月で年間販売目標の8割を達成した。11月には目標を上方修正し、“飲む”機会の増える年末年始に向け勢いが加速している。
（※1）食品表示基準による
（※2） ビールで糖質ゼロを実現した国内で初めての商品（Mintel GNPDを用いたキリンビール調べ）
年間販売目標を３割引き上げ
「『こういう商品を待っていた』との声をいただいた」
キリンビールの布施孝之社長は、「一番搾り 糖質ゼロ」への反響の大きさに手ごたえを感じている。同商品の発売以降、ツイッターには「糖質ゼロとは思えないおいしさ！！」「ビールが好きだけど、糖質が気になる。そんな私にぴったり」など、味わいへの評価や糖質を気にせずに飲める喜びの声があふれている。キリンビールによると、約1カ月で関連する投稿は2万3000件以上。それに伴い販売量は100万ケース（キリンビール出荷実績／1ケースは633ミリリットル20本の大瓶換算）にまで達し、同社は年間目標を従来の120万ケースから160万ケースへ約3割引き上げた。顧客の潜在ニーズをとらえたことで、長く停滞が続いてきたビール市場で異例の快進撃を続けている。
背景には節約志向や嗜好（しこう）の多様化に加え、健康意識の高まりがある。キリンが2020年に実施した消費者調査によると、ビールを飲む量が減った人の理由として「値段が高い」の次に「太りそう」が挙がった。また、ビールに代わって飲んでいる商品は、「缶チューハイ・カクテル」が30.2％を占めてトップに。缶チューハイなどは糖質やプリン体を含まないことをアピールする商品が多く、ビール離れを後押ししているとみられる。
開発期間5年、ビールのおいしさを追求
これに対し、キリンは糖質ゼロのビールを開発するという真っ向勝負に出る。担当したキリンホールディングス飲料未来研究所の廣政あい子さんは「もっと気兼ねなく飲めるおいしいビールをつくりたいと考えた」と開発に至った思いを語る。
15年春に糖質を限りなくゼロにする社内プロジェクトをスタート。しかし、糖質はビールの主原料である麦芽に含まれるうえ、おいしさやアルコールをつくる過程で重要な役割を果たす。麦芽の比率が低い発泡酒や新ジャンルに比べて、ゼロに近付けるハードルははるかに高かった。
廣政さんら開発チームは原材料、仕込み、発酵、生産のすべての工程を“ゼロ”から見直した。試験醸造は通常数十回程度であるのに対して350回以上と試行錯誤を重ね、開発期間は5年に及んだ。結果、糖質を減らしやすい麦芽を選び、仕込みで最大限に分解し、発酵過程で活発な酵母が糖質を食べきるという新たな製法を編み出した。
もちろん、おいしさを追求する姿勢は糖質ゼロでも貫かれている。糖質オフ・ゼロ系のビール類は糖質などがカットされている分、味わいに物足りなさを感じることもあったが、同商品は「一番搾り」のブランド名を冠している通り、麦汁をろ過する工程で最初に流れる一番搾り麦汁のみを贅沢（ぜいたく）に使って製造。試験醸造のうち60回以上を味わいの追求に費やし、ビール好きも満足する雑味のない澄んだ麦のうまみを引き出している。
実際にビール好きの記者は飲んでみて、おいしさに驚いた。糖質ゼロとは思えないほど、麦のうまみなどビールの醍醐味が凝縮。それでいて飲みやすい味わいで、食事との相性が抜群だった。キリンの調査では回答者の94％（n＝32）がおいしさを評価したというのも納得だ。
山形光晴常務執行役員マーケティング部長は「ビールから離れていってしまった顧客を取り戻し、新たな魅力を感じてもらえる可能性を十分持ち合わせている」と胸を張る。
実際、社会情勢や市場環境の変化も適切にとらえている。今春以降の外出自粛の影響で健康志向に拍車がかかっているうえ、10月の酒税法改正でビールは減税値下げ。同月の大手4社の販売動向は、増税となった新ジャンルが落ち込んだのに対し、ビールは前年同月比2％増（※3）と伸長した。市場の追い風に加え、情報誌「日経トレンディ」などが発表した2010年ヒット予測10選にも入り「一番搾り 糖質ゼロ」の勢いに弾みが付いている。来年のビール市場でもさらなる伸長が予想される大注目のビールだ。
年末年始は親族や友人、同僚ら会えないからこそ大切さを感じた“あの人”に思いをはせる時季。その存在を感じながら「一番搾り 糖質ゼロ」を気ままに楽しんではいかがだろうか。
（※3）SankeiBiz（https://www.sankeibiz.jp/business/news/201112/bsm2011121432005-n1.htm）
