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ドコモ子会社化完了 NTT、次世代高速通信で「負けられない戦い」へ (1/2ページ)

 NTTによる株式公開買い付け(TOB)が成立し、NTTドコモの上場廃止による完全子会社化が25日に完了する。完全子会社化で財務基盤が強化できるドコモは早速、携帯電話料金の値下げを発表した。ただ、NTTの狙いは政府の携帯電話の値下げ圧力に応えることではない。NTTにとって、ドコモの完全子会社化は次世代の高速通信をめぐる国際競争での出遅れを挽回するために欠かせない一手となる。

 NTTはドコモの完全子会社化に総額4.3兆円を投じた。ドコモはNTTグループ全体の営業利益で過半を占め、時価総額はNTT本体を超えている。半面、ドコモは携帯電話の回線数シェアは1位だが、営業利益ではKDDI(au)、ソフトバンクの後塵(こうじん)を拝している。

 ドコモは1999年に開始した携帯電話からインターネットに接続できる世界初のサービス「iモード」で大きく成長したが、その後は画期的なサービスを生み出せず、スマートフォン分野でも出遅れた。結果的にグーグルやアマゾン・コムなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる海外の巨大IT企業の台頭を許すことになった。

 ドコモが伸び悩んでいた原因の一つが、固定通信との連携が取れていなかったことにある。NTTの澤田純社長は「ドコモは独立上場会社であり、そこで完結するという意識が強かった」と話す。第5世代(5G)移動通信システムによって、スマホの無線通信でも固定通信の光回線と同等の高速通信が可能になった。5Gでは、無線通信と固定通信を垣根なく自由に利用できる柔軟なサービスが求められている。

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