新型コロナウイルス感染拡大に翻弄されてきた外食チェーンで、年末年始に時短営業や休業の動きが広がっている。自治体から営業時間の短縮要請が出されていることや、従業員の働き方改革も理由となっている。ただ、政府が「静かな年末年始を」と呼び掛ける中で、来店者数の予測に苦慮するチェーンもある。
ファミリーレストラン「ガスト」などを展開する、すかいらーくホールディングス(HD)は、全店の約9割にあたる約2800店で時短営業を実施する。31日は午後6時に閉店、元日の営業時間は午前11時~午後9時とし、前年より時短営業を拡大する。働き方改革が目的だが、コロナ禍でディナータイム(夕食)需要が減少していることを踏まえた。
和食業態の「夢庵」「藍屋」は31日は午後4時半~8時までを持ち帰りのみとする。回転ずしの「魚屋路」は元日の店舗の開店時間を正午とする一方、持ち帰りの対応は午前9時から始める。いずれもコロナ禍で、自宅で年越ししたり年始を迎えたりする人たちの需要を取り込む狙いだ。
ゼンショーHDもファミリーレストラン業態の「ココス」全約500店のうち、商業施設内店舗など一部を除き、31日と元日は午後10時に閉店する。前年に時短営業を実施した店舗は150店程度だったが、コロナ禍に伴う自治体要請を踏まえたという。「すき家」「はま寿司」は原則、通常通りの営業を続ける。
前年と同じ営業体制を取る企業もある。ロイヤルHDでは「ロイヤルホスト」が前年同様、31日と元日の2連休を原則とし、「天丼てんや」は元日休業を基本とする。牛丼チェーンの吉野家も約300店が時短営業や休業予定だ。セブン&アイ・フードシステムズの「デニーズ」は通常通りの営業を続けるという。
外食チェーンの関係者は「例年、正月の帰省期間中は郊外・地方店で3世代で食事をする姿が多くみられたが、今回はどうなるのか予測が立たない」と話す。「店舗ごとに状況が異なり、一律では決められない」とし、店舗の判断に任せた居酒屋チェーンもある。
各社とも店舗やホームページで営業時間の告知を進めており、今年は例年以上に近隣店舗の営業状況を事前に把握しておく必要がありそうだ。(日野稚子)