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スキー場が来客減少に悲鳴 地域経済にも打撃、廃業も

 冬の観光シーズン本番を迎えるはずのスキー場が、新型コロナウイルス感染拡大による来客減に苦しんでいる。リフト券のインターネット販売など対策を進めたが、国の観光支援事業「Go To トラベル」は停止に。東京都と埼玉、千葉、神奈川3県には緊急事態宣言も発令された。廃業も出始め、地域経済に深刻な打撃を与えている。

 「これからが稼ぎどきだった。真っ先に影響を受ける」。昨年12月24日、北海道夕張市のマウントレースイスキー場などを運営する夕張リゾートは集客が見込めないと廃業を発表。近くのラーメン店の店主、叶内克巳さん(75)は呆然とした。財政破綻も経験した同市。リゾートは道内外からスキー客が集う市のシンボルで、12月19日からオープン予定だった。叶内さんは「急な解雇で知り合いの元従業員は連日ハローワークに通っている」。コロナ禍の影響は全国のスキー場で深刻で、長野県のエコーバレースキー場、佐賀県の天山スキー場なども本年度は休業している。

 「対策を徹底しているが、これ以上どうしようもない」。ルスツリゾート(北海道留寿都村)の担当者は嘆く。売り場で並ばなくてすむようリフト券をICカード化し、インターネットで販売。スキーウエアのレンタルは紙の申し込みを廃止し、原則オンライン予約にするなど工夫を重ねるが、例年に比べ客入りは激減した。長野県の富士見パノラマリゾートもレンタルウエアを除菌する機械を導入し、レストランの机にアクリル板を設置。ただ客入りは例年の7割程度という。

 パウダースノーが世界的に人気で「東洋のサンモリッツ」とも言われる北海道ニセコ地区の倶知安町。感染拡大でも海外の投資熱は冷めないが、観光案内所の女性は「駅前は閑散とし、スキー場で働く外国人も少ない」と明かす。町の観光協会によると、春に落ち込んだ客はGo Toで夏に持ち直し、大自然の中で仕事と観光を兼ねて長期滞在するワーケーションでも人を呼び込んだが、冬の平日の予約を支える外国人がほぼ全滅した。

 札幌市では「さっぽろ雪まつり」も中止に。繁華街・ススキノ地区では客足が途絶え、ホテルも客のキャンセルが相次いだ。清掃など関連業界も深刻で、あるクリーニング店の男性店主(66)は「店をたたんだ同業者もいる。外出自粛やリモートワークで衣替えの時期も発注が少なかった」と肩を落とす。

 北海道大の石井吉春客員教授(地域政策)は「Go To停止はやむを得ないが、安値で高いサービスを受けることに慣れれば、Go Toが終わったときこそ客が離れる。Go Toはいずれ再開するが、いつまでどんな形の支援を続けるのかも検討すべき時期だ」と指摘している。

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