2021 成長への展望

SMBC日興証券社長・近藤雄一郎さん サテライトオフィス 月内に140カ所

 --新型コロナウイルスの感染拡大で働き方改革が進んだ

 「5年後ぐらいに訪れると予想していた世界がコロナ禍によって一気に前倒しされた。効率性の追求と、コロナに対する不安から社員を守るため、商品の受発注までできる端末を全社員に配布し、いつでもどこでも働ける環境を整えた。店舗のサテライトオフィス化も進めている。外部業者も活用することで、既に100カ所超まで増やした。1月中に計約140カ所に拡大し、全社員が近隣で仕事できるようにする」

 --個人営業の現場も様変わりした

 「株式などさまざまな資産価格が上昇したことで、単一の商品を売買することがどれだけ非効率か感じた。将来の目的に向けて分散投資をサポートするコンサルティング営業をさらに強化したい。自分の資産構成のリスクを理解していただくシステムを従来は推定金融資産3億円以上の富裕層向けを中心に提供してきたが、対象を広げた。3月には、専用部署を発足させ情報提供機能を強化する」

 --営業員の育成はどのように取り組んでいるか

 「個人の情報収集手段が広がり、新入社員にとって新規開拓は厳しくなっている。今年度から、新規開拓は主に中堅以上が担い、新入社員は先輩や上司との同行訪問を通じて、知識やビジネスマナーを高めていく方法に変えた。長い目でみて大きな戦略変更だ」

 --業界では預かり資産の残高に応じた手数料体系を導入の動きが出ている

 「投資信託で運用するファンドラップ(投資一任サービス)の手数料体系を9月をめどに拡充する。預かり資産残高連動型に加え、新たに残高が増えた分に連動する成功報酬型を取り入れ、顧客の選択肢を増やす。住宅購入や子供の教育など、目的別に運用資産の配分を『見える化』するサービスも拡充する。数年後には、投信以外に、株式や上場投資信託(ETF)も組み入れて使えるようにする」

 --SMBCグループの中で証券がリードしていく分野は

 「グループで資産運用ビジネスを強化している。証券会社にとっては『一丁目一番地』の分野だ。グループ各社から営業担当者を当社に集め、グループの富裕層資産運用ビジネスを主導している。例えば証券から銀行に毎日マーケット情報を提供するなど、共有できるものは共有化している。銀行の顧客はリスク許容度の考え方がさまざまだ。リスク許容度に応じた商品やサービスを当社から提案していきたい」

【プロフィル】近藤雄一郎 こんどう・ゆういちろう 同志社大商卒。1986年日興証券(現SMBC日興証券)入社。取締役兼専務執行役員などを経て2020年4月から現職。兵庫県出身。

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