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改正輸出入規制条約が発効、プラごみ国内処理の促進急務に

 汚れが残ったままのペットボトルなどリサイクルしづらいプラスチックごみの輸出入を規制する改正バーゼル条約が発効した。受け入れ国で適切に処理されないプラごみが海洋汚染の原因となっているため。多くを国外での処理に依存してきた日本にとって、国内でのリサイクル促進が急務となっている。

 環境省は2020年10月、規制対象となる具体的な基準を発表した。(1)食べ残しや油、泥が付着している(2)裁断・粉砕処理されていない-などで、これらは相手国の同意がなければ輸出できなくなる。

 日本は米国やドイツと並ぶ輸出大国で、17年の輸出量は143万トンだった。17年末に中国が輸入を禁止するなど受け入れ制限の動きが広がり、減少した19年でも90万トン。今後輸出できなくなるプラごみは一定程度あるとみられ、環境省は国内での滞留を警戒する。

 そのため政府は国内リサイクルの体制整備を急ぐ。家庭のプラごみは食品トレーなどの容器包装に加えておもちゃといった製品も一括回収してリサイクル量を増やし、オフィスや工場から排出される資材などの再資源化も進める考えで、次期国会に関連法案を提出する方針。環境省幹部は「今後は国内でプラごみを資源循環させる必要があり、リサイクル産業に投資が向かう」と期待する。

 ただ、新型コロナウイルスの影響もあり、国内のリサイクル業者の現状は厳しい。プラごみを運搬作業用のパレットに加工する「エム・エム・プラスチック」(千葉県富津市)は、経済停滞で月々の販売数が例年の2~3割に落ち込んだ。森村努社長は「影響が長期化すると事業継続が厳しくなるとの声が同業者で上がっている。政府はリサイクル商品の購入が進むような支援策を取ってほしい」と訴えた。

【用語解説】バーゼル条約 有害廃棄物の国境を越えた移動を規制する条約。1989年にスイス・バーゼルでの国連環境計画(UNEP)主催の会議で採択され、92年に発効した。プラスチックごみは対象外だったが、輸入国での不法投棄や海洋汚染が問題化。生態系への悪影響も指摘され、2019年の締約国会議で日本とノルウェーが共同提出したプラごみも対象とする条約改正案が採択された。

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