テクノロジー

米「CES」閉幕、対コロナ技術やEV分野が進歩 出会い限られ商談に課題

 15日閉幕した米家電IT見本市「CES」は、新型コロナウイルス流行に対応した技術や電気自動車(EV)の進歩を印象づけた。初のオンライン開催となり、現地に行かず出展内容が分かる利点があったが、現実の会場で起こる偶然の出会いが限られ、商談に発展しづらい課題を残した。

 コロナによる「巣ごもり」を快適にしようと韓国サムスン電子が家事支援ロボットを披露。パナソニックは眼鏡のような外観の仮想現実(VR)端末を紹介した。

 EV関連では米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が商用を年内に発売すると発表。ソニーは、試作車が欧州の公道で走行試験をする動画を初公開した。ソニーでは空撮用の小型無人機ドローンも目を引いた。

 こうした発表はすべてCESの特設ウェブサイトに順次公開され、パソコン一つで把握できた。例年身動きできないほど混雑した米西部ネバダ州ラスベガスでの開催とは様変わりした。

 「渡航費が不要なため展示する側、展示を見る側双方にとって参加のハードルは下がったのではないか」。出展したある日本企業の経営者はオンラインにも魅力を感じていた。ただ「歩いているうちに出会いがある現実の会場の良さを再現する工夫がもう少しほしい」と注文した。

 こうした声に応じるように、CESに合わせて独自の催しを開く動きもあった。8日、東京都内の会場にCESへ出展する新興企業が集まり、マスク姿の経営者らが自社技術を熱心に説明していた。会場の換気状態をリアルタイムで測定し、コロナ感染対策に気を配った。

 この催しの広報担当者は「例年だと偶然の発見から商談に発展するが、デジタル会場だと参加者は知名度の高い大企業に集中しがちだ」と話し、多様な企業が直接対面する意義を強調した。

 今回のCES出展社数は約2000社と前年の約4400社から大幅に減少。トヨタ自動車などの「主役級」をはじめ出展見送りが相次いだ。「デジタル展示のノウハウを蓄積する好機なのにもったいない」(出展企業)と残念がる声もあった。来年のCESはラスベガスで開き、オンライン形式も組み合わせる予定。

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