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コロナ1年…企業の回復は二極化 強まる財政依存、苦境の非製造

 新型コロナウイルスの試練にさらされた日本経済は、感染者の国内初確認から1年を経て、なお出口の見えない不安に覆われている。戦後最大の落ち込みを記録した国内総生産(GDP)は、コロナ前の水準を取り戻すまで年単位の時間を要するとの見方が強い。需要不足を補うための財政依存が強まり、企業活動の回復度合いも業種によって二極化が鮮明だ。

 日銀が14日公表した1月の地域経済報告からは、まだら模様の回復格差が浮かび上がった。

 「3月までは残業や休日出勤でフル稼働」(大分県の自動車関連企業)、「過去最高の生産水準」(福島県の部品メーカー)と明るい声が並んだ製造業。自動車や第5世代(5G)移動通信システムの需要拡大がコロナ禍の逆風をはねのける。

 他方、外出自粛や消費低迷の長期化により、非製造業の苦境は深まるばかりだ。広島県の小売企業は「店舗閉鎖に合わせて正社員の希望退職を募る」と説明。四国の飲食店は「飲食業の将来に不安を抱いた離職者もそれなりにいる」と嘆いた。

 緊急事態宣言による経済活動の制限で、とりわけ深刻な打撃を受けたのが個人消費だ。2019年10月の消費税増税の影響が尾を引く中、総務省が発表する2人以上世帯の家計調査は、1世帯当たりの消費支出が20年9月まで12カ月連続で前年同月を下回った。

 20年4~6月期の実質GDPは、個人消費の悪化が響いて前期比年率で29.2%の大幅減。20年1月に1.49倍だった有効求人倍率は11月に1.06倍まで下落し、雇用不安も広がった。

 一方、日経平均株価は実体経済から乖離(かいり)した値動きを続けている。20年春に底を打った後、コロナ前の水準を早々に突破し、19日の終値は2万8633円だった。日本総合研究所の枩村秀樹調査部長は、政府の経済対策と日銀の金融緩和により「行き場を失った余剰資金が市場に流入している」と指摘する。

 この間、政府は3度にわたって補正予算を編成し、全国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」や、旅行業界などを支援する「Go To キャンペーン」などを実施した。補正による追加支出は計73兆円に上り、当初予算を含めた20年度の新規国債発行額は総額112兆円超に膨張、財政健全化は一段と遠のいている。

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