ハザードマップ

あじさい観光/社団医創会 独自療法で投資負担重く債務超過

 ▼あじさい観光 あじさい観光は1月6日までに事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任した。

 60人乗りの大型車から12人乗りの中型車など計19台を擁して、旅客自動車運送業を手掛けていた。

 本社と関西国際空港近くにも事業所を構え、国内外の利用者を取り込み、大阪と白浜、東京、千葉を結ぶ高速乗り合いバスを運行。また、貸し切りバスも運行し、法人客やスポーツクラブなどの需要も取り込み、2019年9月期は売上高約5億9000万円を計上した。

 しかし、20年に入ると新型コロナウイルス感染拡大の影響から訪日外国人の入国が制限されるとともに、政府の緊急事態宣言やその後の旅行自粛の影響で売り上げが急激に落ち込み、経営が悪化した。

 資産処分や経費削減、各種助成金を利用しながら営業を続けていたが、新型コロナの収束が見通せないなか、資金繰りも限界に達し今回の措置となった。

 ▼医創会 医療法人社団の医創会は昨年12月21日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同月28日に再生手続き開始決定を受けた。がん免疫療法「樹状細胞がんワクチン療法」を手掛けるクリニック「セレンクリニック」を東京都、名古屋市、神戸市で経営していた。

 がん免疫療法の研究・開発ベンチャーのテラから技術ノウハウの提供とともに建物、設備などの転貸、貸与を受けてクリニックを運営し、ピークとなる2011年3月期には売上高14億8987万円を上げていた。

 しかし、財務面では債務超過状態が続いていたうえ、テラに対する買掛金の支払い延滞などもあり、19年1月末をもって同社との契約は解除となっていた。

 その後、経費見直しなど経営改善を進めていたが、20年3月期の売上高は約9億円にとどまり、自主再建を断念した。

【会社概要】あじさい観光

 ▽本社=大阪府堺市

 ▽設立=2014年10月

 ▽資本金=4570万円

 ▽負債額=約5億円

【会社概要】医創会

 ▽所在地=東京都千代田区

 ▽設立=2009年4月

 ▽理事長=矢崎雄一郎氏

 ▽負債額=1億845万円

 〈チェックポイント〉

 あじさい観光はインバウンド需要の消失が直撃した。感染者数が高止まりするなか、緊急事態宣言の再発令や入国制限の強化で、2021年も関連産業の悪影響が続く見込みだ。資金繰り支援策で倒産激増の事態は免れているが、同社のように長期にわたる企業努力も限界に達し、息切れする企業が相次いでいる。

 医創会は独自療法で知られたが、投資負担が重く採算ベースに乗せることが難しかった。技術提供などを受けていた親密企業への債務不払いで訴訟トラブルに発展するなど、さまざまな問題も表面化。赤字と長期の債務超過が続くなか、そもそもビジネスモデルが成立する事業だったか、という検証も必要だろう。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus