話題・その他

アジア寒波でエネ市場に混乱 暖房需要・出荷遅延、電力価格10倍も

 強力な寒波でアジア全域のエネルギー市場に混乱が生じている。電力や液化天然ガス(LNG)、その他の燃料価格が記録的に上昇し、市場や電力会社などが不意打ちを食らっている。厳しい低温が和らぐ兆候が見られない日本、中国、韓国で市場が通常に戻るのは数週間先となる可能性がある。

 日本でスポット10倍

 過去数十年で最も寒い冬を迎えた中国では、暖房用燃料を積載し北部天津市の港へ向かう国有石油大手、中国石油化工集団(シノペック)のタンカーが、厚い氷に進路を遮られ接岸と荷降ろしに20時間を費やした。

 アジア北部はラニーニャ現象が引き金となり寒波に見舞われている。1月初めには北京で1966年以来、ソウルでは86年以来の最低気温を記録し、日本も日本海側を記録的な豪雪が襲った。

 低温で暖房需要が高まり、日本で電力スポット価格が10倍を超える記録的水準となっているほか、韓国と中国でも電力需要が過去最高を更新している。調査会社ウッドマッケンジーの研究責任者、アレックス・ウィットワース氏は「寒さに加え暖房の電化が進んでいることで冬季の電力需要は急激に跳ね上がる可能性がある」と警告する。

 英調査会社IHSマークイットのシニアディレクター、ジェニー・ヤン氏は「日中韓のLNG輸入量は世界最大で、ここでの需要増加は、海上スポット価格(タンカー単位の取引価格)を記録的水準に押し上げている要因の一つだ。このほかにも、大手輸出企業での混乱や、パナマ運河で生じている船舶の混雑による通航の遅れ、出荷の遅延が価格の上昇につながっている」と指摘する。

 韓国のSKイノベーションなどの石油精製会社は「こうした状況による原油需要への影響は現時点では見られない。ヒーティングオイル(暖房油)の生産量を増やしたが、全面的に稼働率を上げているわけではない」と話す。

 石炭は中国で最高値

 ただ、発電の大半を石炭に依存する中国では、石炭消費量の増加に拍車がかかっている。コンサルティング会社のフェンカン・コール・ロジスティクスによると、昨年12月時点で、鄭州商品取引所の石炭先物は過去最高値、スポット価格も1トン当たり900元(約1万4430円)と過去9年間の最高値を更新した。政府は石炭の供給が特に逼迫(ひっぱく)する一部地域で一般家庭向け暖房用電力の供給を確保するため、企業向け供給を制限している。

 IHSマークイットのシニアディレクター、ジェイムズ・スティーブンソン氏は「中国の発電所での石炭在庫は気候が温かくなるまで逼迫が続く。今冬季は、これまでよりも大量の在庫の補充が必要になるだろう。あらゆる要素を勘案し、4~6月期にかけて石炭価格は上昇が見込まれる」と指摘する。(Bloomberg News)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus