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コロナ禍でパチンコ店戻らぬ客、強力換気で密イメージ払拭を図る

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、京都、大阪、兵庫の3府県に緊急事態宣言が再発令され1週間以上が過ぎた。昨年の宣言で休業要請を求められたパチンコ店は今回、時短営業への協力を依頼されている。だが、応じても協力金は出ない上、「どこまで効果があるのか…」と懐疑的な声も根強く、通常営業を続ける店が多い。昨年1年間に全国で約600店が廃業したパチンコ店。遠のいた客足を取り戻そうと、業界を挙げて感染対策の徹底をアピールするが、道のりは険しい。

 ネオン消し営業

 対象地域となった3府県で計30店舗以上のパチンコ店を運営しているある企業は、午後8時以降は店舗のネオンを消灯し、ひっそりと営業している。担当者は「感染対策は万全にしている。パチンコ店でクラスター(感染者集団)が発生したという話は聞かない。ほとんどがしっかりした感染対策を取っている。業態や業種でくくってほしくない」と訴える。

 「従業員の生活もあるし、やみくもに時間短縮の営業はできない。感染防止効果もどこまであるか分からないし…」。関西で20店舗以上のパチンコ店を展開する運営会社の担当者もこう話す。

 昨年の宣言時は対象地域から府県をまたいで営業中の店に出向く「越境パチンコ」が話題になったが、今回はこうした影響はみられないという。

 前年比1・5倍の廃業

 約8400店舗が加盟する全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)によると、昨年1年間に廃業したパチンコの店舗数は、前年比約1・5倍の約600店に上った。担当者は「新型コロナの感染拡大が影響しているとみられる」と原因を分析する。

 全国に100店舗以上のパチンコ店を運営する大手の会社の担当者は「パチンコ店=感染リスクが高い、というイメージがついたのか、高齢者を中心になかなか客足が戻らない」とため息をつく。

 昨年の宣言解除後の売り上げは例年の8割ほど。感染が再拡大した同11月以降、次第に客が少なくなっている。「協力金の支給もない。夜間の営業時間を短くすれば経営はますます厳しくなる」と苦しい事情を打ち明ける。

 対策徹底をPR

 業界は、「密」のイメージがあるパチンコ店の印象を払拭(ふっしょく)するため、感染防止対策の徹底が図られていることをアピールしようと躍起だ。

 全日遊連の傘下の全国遊技場青年部連合会は昨年10月、動画投稿サイト「ユーチューブ」に実証実験と称して、パチンコ店舗の換気システムの「威力」を示す動画を掲載した。

 名古屋市にあるパチンコ店のホール内に白い煙を充満させ、営業時と同じ条件で換気。10分後には煙がほとんど消えている様子を写し、専門家が「喫煙対策を業界を挙げて取り組んできた成果で、(密にならないための)対策はほぼ完璧だ」とコメントしている。

 業界団体がつくるガイドラインでは「万が一店内でクラスターが発生することがあれば、パチンコ店の存続が危ぶまれる事態になりかねない」と危機感をあらわにし、対策徹底を呼びかけている。

 ある店舗関係者は「基本的に会話はしないし、換気も非常に強力。『密』になりにくい環境だということを分かってほしい」と話す。

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