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全日空が「サバティカル休暇制度」導入 4月から無給休職、最長で2年可能に

 全日本空輸が、理由を問わずに最大2年間休職できる「サバティカル休暇制度」を今年4月から導入することが26日、分かった。無給だが、1年以上の場合は留学などの補助金として20万円を支給する。国内企業では数カ月の導入事例はあるが、年単位の長期取得は珍しい。令和3年春闘が実質的に始まり、先進的な取り組みとして注目を集めそうだ。

 対象はパイロットや客室乗務員、地上職の正社員約1万5千人。勤続1年以上が対象で年齢制限はない。休業・休職期間中も会社が社会保険料を負担する。取得期間は1~5カ月のほか、1年や1年半、2年から選択できる。20万円の補助金は3年度の時限措置となる見通しだ。募集は昨年10月14日から12月18日までで、すでに締め切った。目標人数などは設定していなかった。

 全日空は、もともと介護や不妊治療、社業への貢献を前提とした進学や留学による休暇を認めており、主に留学のための「わくわく休職制度」など目的ごとにさまざまな名称がつけられていた。新型コロナによる業績悪化を受けて人件費削減策を進める中で、使い道が自由な長期休みが取れる「サバティカル休暇制度」に名称や制度を一本化した。

 航空業界は新型コロナウイルス流行で国際線の旅客需要が激減し、客室乗務員を中心に大規模な一時帰休が続いている。全日空の長期休職制度も人件費抑制策の色彩が強いが、社員にとっても休暇明けの生活が保障されることで留学や資格取得、他企業での勤務などが計画的に行えるメリットがある。

 サバティカル休暇は政府にも「人生100年時代」に向けた学び直しを支援する観点から推進する動きがある。経済産業省の担当者は「数カ月単位は事例があるが、年単位の導入は聞いたことがない」と話す。

 【サバティカル休暇】 年度ごとの有給休暇とは別に自己研さんなどを目的とした長期休業制度。安息日を意味するラテン語「SABBATICUS(サバティクス)」に由来する。大学教員など研究者が半年や1年間、海外の研究機関に在籍する際などに利用されるが、近年では民間企業でも資格取得などの学び直しやボランティア、旅行といった広い目的で採用例がある。IT大手のヤフーは2013年、勤続10年以上の正社員を対象に最大3カ月の休暇を1回取れる制度を取り入れた。

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