ソフトバンクは26日、宮川潤一副社長が社長に昇格する人事を発表した。宮内謙社長は代表権のある会長に就き、会長の孫正義氏は創業者取締役となる。4月1日付。
宮川氏は同社の最高技術責任者(CTO)を務めており、人工知能(AI)や第5世代(5G)移動通信システムなどの先端技術に対する知見を生かした経営に期待が高まる。孫氏は2018年に代表権が外れており、同社での役割に事実上の変化はないとみられる。近年は通信事業に関する言及は少なく、自身が会長兼社長を務めるソフトバンクグループでの投資事業に傾注している。
2年前から後継者の検討を開始し、20年春ごろから本格的な審議を重ねていたという。無料通信アプリ大手のLINE(ライン)とソフトバンク子会社のZホールディングスが今春に経営統合するのに合わせて社長を交代する。
今回の人事について、ソフトバンクは「上場企業として持続的な成長を実現するために、適切な時期に経営層の世代交代を図り、現在の経営体制が持つ強みを受け継いでいく」としている。
【プロフィル】宮川潤一氏 みやかわ・じゅんいち 花園大卒。1991年ももたろうインターネット社長。2000年名古屋めたりっく通信(現ソフトバンク)社長。取締役専務執行役員などを経て18年4月から代表取締役副社長執行役員。55歳。