機械部品大手のTHKは、物流、鉄道分野向けのスライドレールを開発、受注を始めた。高炭素鋼でできた引き抜き材(レール)をコの字形に成形し、引き抜き材の内側の転動溝に熱処理を施すなどにより、強度を上げることで、耐久性を向上させた。
転動体(ボール)と転動溝とを2点で接触する「サーキュラーアーク構造」を採用することで、特定方向からの負荷がかかることによって起きる転動体のずれを減らした。
スライドレールはATM(現金自動預払機)や自動販売機などさまざまな民生用機械で使われている。ネット通販の普及で輸送量が急増し、物流施設内の自動倉庫用搬送台車の使用頻度が増しており、耐久性の高いスライドレールが求められていた。毎秒1.2メートルの高速動作、重さ20~50キロの物の搬送にも耐えられる。また鉄道車両用のドア、航空機用の旅客シートなどでの使用も見込めるという。
新製品「ユーティリティスライドATG」=写真=は引き抜き材の幅22、28、35ミリの3種類がある。発売初年度の売り上げは2億円、3年後には年10億円の売り上げを見込む。