現場の風

カシオ計算機 ARに独自技術活用、成長事業目指す

 カシオ計算機プロジェクション戦略部長 古川 亮一さん(44)

 --プロジェクター事業の現状は

 「2004年から参入して学校の教室や中小会議室向けをメインに展開してきたが、市場の縮小傾向もあり、全面的に新しい事業に転換することを決めた。強みを生かせる領域として小型の製品で一番になることを目指す」

 --プロジェクターの市場環境は厳しい

 「14年をピークに需要が徐々に下がっていたが、19年に急減した。大型フラットパネルディスプレーの値下がりなどが背景にあるが、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、成長性が乏しくなってきている」

 --そんな中どう強みを生かしていくのか

 「10年に業界で初めてレーザーとLEDを組み合わせたハイブリッド光源を採用し、当社の製品は小型で軽くて低消費電力という特徴を持つ。一方、現実の物にデジタル表示を映し出す『プロジェクションAR(拡張現実)』に将来性があると言われており、ここでわれわれの独自の技術資源を生かせば、成長性のある事業をもう一度作ることができると考えている」

 --どういう領域で展開していくのか

 「一つはプロジェクションARの展開に向けプロジェクターを部品として組み込んでいく。プロジェクターが工場で作業の手順を指示したり、キッチンで調理の情報を表示したりすることなどが考えられる。もう一つが大画面を介した少人数のビジネスコミュニケーションの手段としてプロジェクターを利用してもらう」

 --具体的にどんな製品を計画しているか

 「ビジネスバッグで持ち運べるA5サイズの製品を考えており、一定の明るさを持つタイプでは業界最小・最軽量のモデルになる。独自の光学設計で小型化を実現したほか、冷却設計もコンパクトになるよう工夫を凝らした。フィルターが不要で、防塵性能にも優れている」

■ふるかわ・りょういち 中央大理工卒。1999年カシオ計算機入社。電子文具の機構設計、電子辞書の開発推進、一般電卓の商品企画などを経て、2014年にプロジェクターの商品企画責任者に就任。20年から現職。埼玉県出身。

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