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アマゾン創業者・ベゾス氏、CEO退任へ 21年7~9月期執行会長に

 米アマゾン・コムは2日、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が2021年7~9月期に退任し、後継候補と受け止められていたクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のアンディ・ジャシーCEOが後任に就くと発表した。

 ジャシー氏が後任

 ベゾス氏は執行会長に就任する。同氏は25年余り前にシアトルのガレージでオンライン書店としてアマゾンを創業後、事業を拡大して世界屈指の富豪になった。コンシューマー事業責任者だったジェフ・ウィルク氏もベゾス氏の後継者候補の1人と目されていたが、今年退任する意向を昨年表明したため、ジャシー氏が後継者になるのは確実とみられていた。

 ベゾス氏は発表資料で、「当社の業績を見れば、発明の結果の長期にわたる蓄積が見て取れる。アマゾンは今、かつてなく創意にあふれており、この移行には最適なタイミングだ」と説明した。

 アマゾンの売上高は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で、過去最高を更新しており、ジャシー氏が率いるAWSも多額の収益を上げている。米調査会社ガートナーは19年時点の最新のデータで、アマゾンが提供するインフラサービスの市場シェアは45%に上ると見積もる。

 次期CEOは現在の経営路線を維持する公算が大きい。ベゾス氏はCEOから退いた後もアマゾンと距離を置くことはない考えで、CEO退任後に会長にとどまったマイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏(現在は技術顧問)と同様の道を進む。

 大きな決定には関与

 オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は記者団との電話会議で、ベゾス氏は「ワンウェイドアの多くの大きな課題に関与する」と述べ、大規模な買収など実質的に後戻りできない意思決定にはベゾス氏がかかわると説明している。

 アマゾンは各国・地域の規制当局から調査対象となり、低賃金労働者への扱いでも批判を受けているが、ベゾス氏は新たな役職に就くことで日常業務に煩わされることなく技術革新に集中できる。また、同社の潤沢な資金力に見合う有望な構想や、宇宙開発会社ブルー・オリジンや有力紙ワシントン・ポストといった所有事業などにもさらに注力できる。ベゾス氏の個人資産は約2000億ドル(約21兆円)と、テスラのマスクCEOに次いで世界2番目の富豪。

 2日発表した1~3月期の業績見通しによると、売上高は1000億~1060億ドル、営業利益は30億~65億ドルを見込む。ブルームバーグのアナリスト予想平均は営業利益が60億7000万ドル、売上高が957億2000万ドルだった。

 20年10~12月期の売上高は44%増の1256億ドルで、アナリスト予想平均の1197億ドルを上回った。1株利益は14.09ドルで、市場予想平均は7.34ドルだった。

 次期CEOのジャシー氏はアマゾン入社初期にベゾス氏の技術顧問を務めていた。同僚らによれば、ジャシー氏はベゾス氏と非常に似た経営スタイルで、データに基づく意思決定や、顧客を中心に据えた考え方を好む。肝煎りのプロジェクトには細部にまで携わることもあり、その点もベゾス氏と共通するという。

 米調査会社フォレスター・リサーチのアナリスト、スチャリタ・コダリ氏は、クラウド事業でアマゾンと競合するオラクルやマイクロソフト、グーグルといった企業にとって、ジャシー氏のCEO昇格は悪い知らせだろうと指摘。「ジャシー氏はアマゾンのAWSに20年近く注力してきた。CEOは手塩にかけた仕事を重視するものであり、オラクルやグーグル、マイクロソフトなら神経をとがらせるだろう」と語った。(ブルームバーグ Spencer Soper、Brad Stone)

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