▼日本レクリエーシヨンサービスセンター 日本レクリエーシヨンサービスセンターは1月13日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
業歴60年を超えるイベント企画運営会社。地鎮祭や竣工式などの建設式典、創立記念や祝賀会などの記念式典、説明会、地域のお祭りやフェス、スポーツ大会、展示会などの企画、会場設営や運営を手掛けていた。また、イベント開催に付随する看板やポスターの作成、テントやテーブル、いすのレンタルや司会、花、料理の手配なども請け負っていた。建設会社や官公庁、一般企業との取引実績を重ね、1992年3月期は売上高約13億4800万円を上げていた。
しかし、企業のレクリエーションイベントの需要が減少するなどして受注は低迷。98年3月期には売上高が10億円を割り込み、その後も市況の悪化や他社との競合などから減収基調で推移した。
近年は、既存取引先のほか大型案件の受注もあり回復の兆しをみせ、2019年12月期(決算月変更)は売上高8億960万円を計上したものの、新型コロナウイルス感染拡大でイベントの中止や延期が相次ぎ業績が低迷。資金繰りも限界に達した。
▼桜木管理 桜木管理(旧早野商事)は1月22日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
「和食波奈」「すし波奈」「かつ波奈」など和食を中心に飲食店を運営。千葉県、埼玉県、広島県、宮城県などに約30店舗を運営していたほか、FC店に対する食材卸も手掛け、2009年4月期は売上高100億円以上を上げていた。
しかし、近年は集客の伸び悩みで業績は低迷。店舗閉鎖やリニューアルで集客回復に努めつつ、多額に膨らんでいた有利子負債のリスケジュールで再建を図ってきた。
こうした中、新型コロナウイルスの影響に伴い、業況がさらに悪化。昨年12月に新会社、早野商事を設立し、会社分割方式で店舗運営を移管。現商号に変更し、今回の措置となった。
【会社概要】日本レクリエーシヨンサービスセンター
▽本社=東京都中央区
▽設立=1955年4月
▽資本金=6000万円
▽負債額=約10億3500万円
【会社概要】桜木管理
▽本社=千葉市若葉区
▽設立=1978年6月
▽資本金=3500万円
▽負債額=約35億円
〈チェックポイント〉
日本レクリエーシヨンサービスセンターはこれまでの豊富な実績もむなしく受注が消失した。規模や内容を問わず人の集まるイベントの中止が相次ぎ、老舗や中堅以上でも関連企業は売り上げを失い、経営が深刻化している。コロナ禍が直撃した消費関連業だけでなく、幅広い業種に支援の光を当てる必要がある。
桜木管理は店舗運営を新会社に譲渡し、新スポンサーのもとで継続する。労働集約型の飲食業はパートタイマーなども含めた雇用の受け皿でもあり、閉店か継続かで地域に大きなインパクトを与えかねない。コロナ禍の厳しい環境でも、店舗継続をあきらめない、多くの関係者の尽力があったのではないだろうか。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)