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総合商社3社 通期上方修正、中国経済回復で収益力改善

 総合商社大手7社の2020年4~12月期連結決算が4日、出そろった。三井物産、丸紅など3社が21年3月期通期の最終利益予想を上方修正し、新型コロナウイルスの影響で低下した収益力を改善させている。中国経済の回復や資源価格の持ち直しが要因。ただ、感染拡大が続くため、先行きへの警戒感は強い。

 4日発表した伊藤忠商事の4~12月期の最終利益は3643億円で、通期予想の4000億円に対し、進捗(しんちょく)率が91%だった。オンラインで会見した鉢村剛最高財務責任者(CFO)は「直近の収益力は過去最高水準。1~3月期に業績下押しの大きな懸念材料はない」とし、今後の業績上方修正の余地をうかがわせる。三井物産はコロナで打撃を受けた業種も含め、収益力はコロナ以前に戻ったとし、最終利益の通期予想を900億円上方修正した。

 今後、グループ会社の三菱自動車の構造改革費用の取り組みがあるため通期予想を据え置いた三菱商事だが、3日の電話会見で増一行CFOは「着実に回復基調にある」と、基礎的な収益力が戻っていることを強調した。

 一方、住友商事は4日、兵頭誠之社長がオンラインで会見し、今期の赤字転落の経営責任をとって、自身を含めた全執行役員48人の今年6月支給予定のボーナスをゼロにするほか、兵頭氏自身の役員報酬の4割削減などを発表した。

■総合商社大手7社の連結最終損益  

   最終損益 通期予想に対する評価 伊藤忠商事 3643(●(=証券用 ▲)14.6) 4~12月期の進捗率91%ながらも通期予想は据え置き

   4000(●(=証券用 ▲)20.2)   

三井物産 1989(●(=証券用 ▲)40.6) 収益力回復で1800億円の予想を900億円上方修正   2700(●(=証券用 ▲)31.0)   

三菱商事 1691(●(=証券用 ▲)54.7) 三菱自動車の構造改革対応のため予想を据え置きに 

 2000(●(=証券用 ▲)62.6)   

丸紅 1637(12.4) 10~12月期の好調で、1500億円の予想から上方修正

   1900(黒字に転換)   

住友商事 ●(=証券用 ▲)1137(赤字転落) 1500億円の最終赤字予想を1200億円の赤字に修正

   ●(=証券用 ▲)1200(赤字転落)   

豊田通商 893(●(=証券用 ▲)23.3) 4~12月期で通期予想超。800億円の予想を上方修正へ

   1200(●(=証券用 ▲)11.5)   

双日 167(●(=証券用 ▲)55.4) 予想に対する4~12月期の進捗率が56%にとどまる 

 300(●(=証券用 ▲)50.7)   

※単位:億円、カッコ内は前年同期比増減率%、上段が2020年4~12月期、下段が21年3月期予想。●(=証券用 ▲)は赤字またはマイナス

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