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テレビ局への依存、終焉の兆し 芸能界でオフィスの売却・移転・縮小相次ぐ (1/2ページ)

 コロナ禍による業績不振で、都心の一等地に所在するオフィスを縮小、売却、移転する企業が増えている。コンサートなどのライブイベントの中止や延期が相次ぎ、屋台骨が揺らぐ大手芸能事務所も例外ではない。有名タレントらが所属する芸能事務所はテレビ局などにもほど近い、都心の華やかな場所にあることが当たり前だった。専門家は「芸能事務所も追い詰められ、急速に変化を迫られている」と話す。 

 コロナに、働き方改革に

 エンターテインメント業界は大打撃を受けている。ぴあ総研の調査によると、昨年のライブ・エンターテインメントの市場規模(試算値)は1306億円。前年(6295億円)と比べて、約8割が消失した。

 浜崎あゆみや倖田來未らが所属し、一時代を築いたエイベックスは昨年12月、東京都港区南青山の本社ビルを売却することを発表。売却で得た290億円で、音楽ライブの中止や関連グッズの販売低迷などを補う。同社は「経営資源の有効活用と財務的柔軟性の確保を図ること」のほか、「オフィスでの勤務を前提とした従来の働き方の見直し」も売却の理由として挙げた。

 リモートワークが推奨され、出社率の下がった都心一等地のオフィスを高いコストを払って維持する利点は少ない。

 電通グループは東京・港区の本社ビルを売却する。売却額は国内のビル取引としては過去最大級の3000億円規模になる見通しだという。またアパレル大手の三陽商会も昨年、東京・銀座の旗艦店ビルを売却した。人材派遣大手のパソナグループも、東京から兵庫・淡路島への本社機能の一部移転を決めている。

 こうした流れに呼応するかのように、アイドルグループ「モーニング娘。」を擁するアップフロントプロモーションは昨年末、都心の一等地である港区東麻布から品川区西五反田へ移転した。

 サザンオールスターズや、間もなく大河ドラマで主演する吉沢亮らが所属するアミューズ(渋谷区桜丘町)は、週刊誌などで「月5000万円の賃料といわれる現在のオフィスから、今年4月にも本社機能の一部を山梨県の富士山麓に移転する計画がある」と報じられた。同社は産経新聞の取材に対し、「当社が公表したものではありません」とコメント。移転計画自体についての言及はなかったが、一方で、「リモートワークの推進により渋谷オフィスの減床は検討しております」と説明した。

 一等地の意味が薄れ

 ある芸能関係者は「コロナ禍が収束するまで、都心一等地の大きなオフィスは引き払った方がよい。ランニングコストを抑える合理的な選択だ」と話す。

 芸能事務所の立地は、これまで「華やかな芸能界を想起させるブランド性」や「テレビ局やラジオ局、集客力の高いイベントにアクセスしやすい利便性」などが重視されていたという。しかし、受難の時代を生き延びるため「ブランド維持よりも、ダメージの軽減に努めなければならない」(同関係者)というわけだ。

 コロナ禍で、タレントらがテレビ各局などを直接訪問する“売り込み”は難しくなっており、また、ライブイベントも激減。事務所が都心の一等地に所在することに、かつてほどの意味は失われているという。

 ある事務所のマネジャーは「もともと仕事の現場を飛び回っているので、職種によっては請求書の提出や打ち合わせをオンラインで、(外部一般企業からの問い合わせ窓口だった)固定電話をメールで代用させてくれれば、出社する必要はない」と話す。

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