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ITvs.報道、当面の決着 グーグルが米メディア企業に記事使用料支払い

 アルファベット傘下のグーグルは17日、米メディア企業ニューズ・コープにニュース使用料を支払うことで合意した。契約期間は3年間。オンラインプラットフォーム上のジャーナリズムの価値をめぐる長期間の争いはひとまず落ち着いたが、IT大手と新聞など報道メディア業界とのせめぎ合いは今後も続く見通しだ。

 ニューズの発表によると、両社は定額制のプラットフォーム開発と動画・音声のジャーナリズム育成で手を組むとともに、広告収入を分け合う。

 金融面の具体的な条件は開示されていない。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、グーグルがこの取引をめぐりニューズに数千万ドルを支払うと報じた。

 今回の合意の対象にはWSJやバロンズ、マーケットウオッチ、ニューヨーク・ポストのほか、ニューズが豪州で保有する約30の地元紙が含まれる。

 ただ、今回の合意で、ニュース使用をめぐる論争が収まることはなさそうだ。

 FB、豪での配信制限

 豪州ではデジタルフォーマット上でニュースが生み出した価値の対価を検索やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の巨大企業がメディア企業に支払うことを義務付ける法案が提出されたが、同法案に反対するフェイスブックは17日、豪州のプラットフォームでニュース共有を制限し始めた。

 フェイスブックによる今回の制限は同法案への対応で最も強力な措置となる。法案は、利用者が投稿したニュースに関して報道機関に対価を支払うようハイテク企業に義務付けているが、これに従わない姿勢を鮮明にした。

 法案にはグーグルも反対しているが、ニューズは支持している。報道機関側はフェイスブックやグーグルのデジタルプラットフォームで扱われるニュースが生み出す価値への対価支払いが必要との立場。両社が広告市場で大きなシェアを握る中で、正当な対価を求めている。

 フェイスブックの措置によって豪州内でニュース共有ができなくなり、世界のユーザーも豪報道機関が配信する記事の共有が阻まれる。この結果、オンラインでニュースや情報にアクセスする上で最も広く使われる方法の一つが断たれる恐れがある。

 フライデンバーグ豪財務相は18日、フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)と建設的な協議を行ったと表明。同CEOが法案に関して残るいくつかの問題を取り上げ、今後の道筋を見つけられるよう対話を続けることで一致したと説明した。

 対抗サイト立ち上げ

 オンライン上のニュース配信をめぐっては、報道機関側もハイテク大手に対抗し、プラットフォームの整備を急いでいる。ニューズは昨年、グーグルによるニュース配信サービスに対抗し配信サイト「Kニュース・コム」を立ち上げた。グーグルやフェイスブックに奪われた広告収入を奪い返したいとの思惑も込められているが、SNS利用者の反応は今ひとつだった。

 一方、グーグルは新たなニュース配信サービス「グーグル・ニュースショーケース」を英国や豪州、アルゼンチンなどで開始。同社によると、全世界で500社規模の出版社と契約を結んだとしている。(ブルームバーグ Gerry Smith、Elizabeth Elkin)

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