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中部電力、技術力維持に年600回訓練

 東京電力福島第1原発事故後、長期間停止したままの原発が多く、運転や保守作業の現場が減った。技術力を培う機会が少なくなり、稼働している原発での経験がない運転員も増えてきた。電力各社は、稼働中の発電所への派遣や、運転の模擬訓練などによって技術力維持に取り組む。

 運転員教育の一つは、自社の火力発電所や既に再稼働した他社の原発への派遣。中国電力の担当者は「音や熱、においなどの臨場感は、稼働する現場でしか経験できない」と話す。

 原発の中央制御室を模擬した設備での習熟も欠かせない。北陸電力は第1原発事故を受け、設備機能を改良。炉心損傷や全交流電源喪失などの重大事故を想定した対応訓練ができるようにした。

 中部電力は、安全対策設備の操作訓練や、災害対応の指揮、命令手順を確認する図上訓練の回数を、年間約600回と大幅に増やした。

 東電は、事故を起こした福島第1、一般の原発のように解体して廃炉にする福島第2、再稼働を目指す柏崎刈羽、建設途中の東通と、多様な状況の原発を抱える。事故後は新たな人材育成拠点を設け、そこで原発の運転や保守管理、汚染水対策や溶融核燃料(デブリ)取り出しなど廃炉特有の技術教育もできるようにした。事故の再発防止に向けた安全意識の継承も課題だ。

 人材育成責任者の増井秀企原子力・立地本部副本部長は「事故の生々しい経験がない社員らに、記憶や教訓が定着するような内容の教育を続けていかなければならない」と話した。

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