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メーカー従事者「3割減」 原子力を担う人材確保に業界関係者は危機感

 原子力を担う人材をどう確保していくか、業界関係者は危機感を募らせている。国内関連メーカーの原子力部門の従事者は、東京電力福島第1原発事故後の9年間で3割近く減少した。原発の再稼働は低迷、新増設計画もなく作業の現場が減った。電力会社、メーカー、規制当局などは若手確保や技術力維持という課題を抱える。

 業界団体の日本電機工業会が原子力関連の主要メーカーを対象に行った調査では、原子力関連業務の従業員は事故までは増加傾向で、2010年度は15社で1万3699人だった。その後は年々減り続け、19年度は14社で9976人。原子炉の部材の切削、溶接など高い技術力が必要な技能職は特に減少幅が大きい。

 日本の原子力業界を取り巻く状況は事故で一変した。国内の原発新増設計画は棚上げになり、再稼働の動きも鈍い。頼みの綱だった輸出も、日立製作所が英国の原発新設計画から撤退するなど、明るい兆しはない。電力会社やメーカーからは「新増設や稼働中の原発が少なくなれば、知識や技術が継承されなくなる」との不安が漏れる。

 新増設がなくても、廃炉が決まった原発が増えており、長期にわたる作業に向けて人材や技術が必要となる。原子力関連企業などでつくる日本原子力産業協会は「人材を呼び込むには原子力の将来的なビジョンが必要」と訴えている。

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