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スーパー好調 百貨店3割減 流通各社1月売上高、巣ごもりで明暗 

 流通業界や外食チェーンの業界団体がまとめた2021年1月の販売動向が25日、出そろった。新型コロナウイルス感染再拡大で、年末年始の帰省自粛の呼びかけや政府の緊急事態宣言が11都府県に再発令されたことを受けて巣ごもり消費が増大し、業界により明暗が分かれた。

 例年、1月は帰省や流通各社の初売り、仕事始めの宴会といった年始イベントが立て込む時期。コロナ禍による外出や帰省自粛の呼びかけや、緊急事態宣言再発令が消費に暗い影を落とした。

 日本百貨店協会がまとめた全国百貨店売上高(速報値、既存店ベース)は前年同月比29.7%減で16カ月連続のマイナスとなった。福袋や初売り、クリアランスセールを12月に前倒し、来店客の分散化に取り組んだことや、緊急事態宣言対象地域の店舗で時短営業を行ったことが影響した。主要顧客層でもある高齢者の外出自粛で来店客数は4割減だった。

 一方、日本チェーンストア協会によると、全国スーパー売上高(既存店ベース)は同1.2%増と4カ月連続のプラス。巣ごもり需要で内食化が強まり食料品が好調だった。衣料品などは苦戦したがプラスを維持した。全国スーパーマーケット協会など業界3団体が発表した全国食品スーパー売上高(既存店ベース)も同6%増と12カ月連続のプラスだった。

 コンビニエンスストア大手7社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会によると、コンビニ売上高(既存店ベース)は4.9%減と11カ月連続のマイナス。コンビニ各社は家庭で食べる生鮮食品や冷凍食品など巣ごもり対応強化を打ち出して需要の取り込みを図っているが、テレワークが推奨されたことでビジネス街や繁華街に立地する店での苦境が続いている。

 日本フードサービス協会がまとめた外食チェーン(222社)の全店売上高も同21%減と前月から5.5ポイント悪化した。緊急事態宣言下の11都府県で店内飲食が午後8時までに制限されたため、酒類提供をメインとする居酒屋・パブ業態で休業店も相次ぎ、同業態は74.9%減と激減。夕方以降の営業が主力のディナーレストランは54.5%減、宴会需要が消えた和風レストランや焼き肉も4割以上の減少幅だった。(日野稚子)

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