総務省幹部がNTTから接待を受けていたとされる問題で、総務省は8日、谷脇康彦総務審議官ら2人が2018年9月から20年7月までに計4回、NTTの澤田純社長らから国家公務員倫理規程に違反する接待を受けていた疑いが強いとする調査の中間報告を公表した。中間報告を受け、総務省は谷脇氏を大臣官房付に更迭した。
中間報告によると、谷脇氏は計3回(総額10万6852円)の接待を受け、巻口英司国際戦略局長も1回(5万1165円)の接待を受けた。このうち自己負担は谷脇氏が1回分の5000円、巻口氏が1万円だけだった。このほか、当時、総務審議官だった山田真貴子前内閣広報官(辞職)や金杉憲治外務審議官(当時)も接待を受けていた。
同日会見した武田良太総務相は「倫理法令に違反する行為がないか再三確認したにもかかわらず、新たな違反が疑われる行為が確認されたことは甚だ遺憾」と述べた。接待は情報通信や国際情勢に関する情報交換のためで、NTTドコモの完全子会社化など個別案件の陳情などは行っていないという。
総務省は今後も他の職員の関与や他の事業者からの接待の有無について調査を継続する。総務省は同日、中間報告を参院予算委理事懇談会に提出。与野党は8日の参院予算委理事会で、15日に集中審議を開き、NTTの澤田社長を参考人として招致する日程で合意した。谷脇氏は放送事業会社「東北新社」からの接待で懲戒処分を受けたが、当時の調査にもNTTの接待は申告していなかった。