テクノロジー

東北大発ベンチャー、エレベーションスペース始動

 ISS終了後の宇宙実験の場に

 東北大学発宇宙ベンチャーのエレベーションスペース(仙台市青葉区)が設立された。同大大学院工学研究科の吉田和哉教授、●原聡文准教授による小型人工衛星の研究開発成果を生かし、宇宙空間を周回する人工衛星内で実験を企業や研究機関などから受託するビジネスを目指す。設立は2月3日付。

 具体的には実験に必要な機材を衛星に積み、ロケットに載せて打ち上げる。打ち上げは国内外の打ち上げ会社に依頼する。宇宙空間に到達後は遠隔で実験を行う。実験後は地球に帰還し、海に落ちた衛星を船で回収。依頼主に届ける。実験だけでなく、無重力空間を活用した高機能材料の開発や製造などもできるという。

 日本や欧米などが共同で運用する国際宇宙ステーション(ISS)は老朽化が進んでおり、現在のところ運営は2024年までとされている。

 ISSは基礎科学的な実験や創薬などの産業分野で利用されており、エレベーションスペースの小林稜平社長は「ISS運用終了後でも宇宙空間で実験できる場を確保したい」と話している。

 会社設立を記念したシンポジウムを13日午後1時から、動画投稿サイト「ユーチューブ」上で配信する。

●=十の下にくさかんむり、その下に木

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