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シャープ、子会社の不適切会計で75億円売上高減少

 シャープは12日、スマートフォン用のカメラレンズを製造する子会社のカンタツ(東京)が注文書や製品の出荷がないのに売り上げを計上する不適切な会計処理をしていた問題で、弁護士らによる調査の結果、平成30年度から令和2年度の連結業績で売上高が計75億円減少すると発表した。シャープは調査のため2年4~12月期連結決算の発表を延期していた。

 調査報告書では、業績が低迷したカンタツは平成30年3月にシャープの連結子会社となり、シャープから転籍した社長が業績低迷を打開するため事業本部制を導入した点に触れ、「収益管理のみに意識が集中した」などと指摘した。

 堺市の本社で会見したシャープの野村勝明社長は「連結子会社への管理監督が不十分だった。グループ全体で企業統治を強化していく」と釈明した。

 またシャープは同日、2月に発表したテレビ向け大型液晶パネルを調達する持ち分法適用会社「堺ディスプレイプロダクト」の株式売却について、売却先の要望により中止したと発表した。シャープは価格変動が激しく多額の投資が必要な大型液晶事業を切り離し、連結業績を安定化させようとしていた。

 シャープが12日に発表した令和2年4~12月期連結決算は売上高が前年同期比3・8%増の1兆8168億円、最終利益が10・8%減の411億円だった。白物家電や空気清浄機が販売を伸ばしたが、堺ディスプレイの業績悪化による投資損失などが響き増収減益となった。

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