金融

みずほ障害、銀行業界に波紋 全銀協がトラブル回避徹底を周知

 全国銀行協会は15日の理事会で、システム障害回避の徹底について緊急の申し合わせを行い、会員各行に周知した。みずほ銀行が約2週間で4度ものシステム障害を起こした現状などを踏まえ、人々の生活や企業のビジネスを支える社会インフラとしての使命と責任を再確認した。

 具体的には、データ処理量が多くなるシステム更新などを行う場合、事前に関連システムへの影響を慎重に検証するよう求めた。障害が発生した場合を想定し、速やかな復旧に向けた体制を構築するほか、影響を受けた顧客に対する迅速な情報提供も呼びかけた。

 みずほ銀では2月28日、全国の約8割のATM(現金自動預払機)が一時停止し、キャッシュカードや通帳が取り出せなくなるトラブルが計5244件発生。みずほ銀は15日、ATM復旧前に同行のキャッシュカードで他社のATMを利用してかかった手数料について、16~18日に順次、口座に返金すると発表した。

 みずほ銀ではこの後もシステム障害が立て続けに発生。4度目となる今月12日には、国内の外貨建て送金の手続きが遅れる問題が起きた。12日の説明では、被害件数を「約300件」としていたが、15日になって263件だったと修正した。金額は明らかにしていない。

 国内の外貨送金は慣例として当日午後1時ごろまでに手続きを終える必要があるが、263件はそれより5時間遅れて完了した。263件には、一部個人による送金も含まれていたことも新たに判明した。予定通り12日付の入金処理となるように、受け手となる国内他行と調整を進めている。

 失態続きのみずほ銀には、他行からも「何があったのか」といぶかる声が聞かれる。社会的な混乱を招いた事態を重く見て、金融庁が厳しい行政処分を課す可能性もある。

 みずほ銀の藤原弘治頭取は12日夜の記者会見で「(トラブルが)これだけ続くことを重く受け止め、ハードの要因、システム運用面について抜本的に点検する」と述べ、真相究明と再発防止を急ぐ考えを示している。

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