テクノロジー

20年後の日本は「けっこう暗い」 直面する衝撃の近未来予測 (2/2ページ)

 しかし、物価は上がらず「GDP(国内総生産)の成長率も2030年以降はマイナス成長やほぼゼロとの予測が支配的」ななか、40年の日本は老人だらけになり、政府の債務(日本の借金)は「ぶっちぎりで世界一」。加えて「老人が増え、それを支える若者が減る」わけです。

 また、メディアのあり方についても、テレビは、みんながスマホをいじりながら視聴するので「『ながら』に適したラジオが絶滅せずに生きながらえているのと同じような道をたどるだろう」と予測する一方、面白いテレビ番組はネットフリックスなど有料動画配信サービスを展開するネット企業が製作し、「ハードの『テレビ』自体はなくなる」と明言。新聞に至っては「絶滅危惧種」で「2040年、今のような形で存在している新聞社はほとんどないはずだ」と説明します。

 本書はあえて、こうした暗い未来をズバズバ提示することで、帯に書いてあるように「知っている人だけが悲劇を避けられる」内容となっているのです。著者の成毛氏は、米マイクロソフト日本法人(日本マイクロソフト)の元代表取締役社長。日本の中からではなく、外国人の持つ感情抜きのクールな視点で日本の未来の問題点を極めて論理的にあぶり出しているので、説得力があります。

 実際に読んでみて、いろいろ考えさせられた1冊ですが、個人的には[おわりに]と題したあとがきの一節に、大いに共感しました。

 「(米のグーグルやアマゾンといった)GAFAのような企業が日本から生まれる兆しはまるで見えない。いまだに、産業界では『かつてのウォークマンのように製品を日本企業はなぜ生み出せないのか』と真顔で議論している。ソニーのウォークマンが世界を席巻したのは1980年代だ。産声を上げた赤子が中年にさしかかるほどの歳月がたっていることに、どれほどの産業人が自覚的なのだろうか」「…つまり、政治の世界も民間の世界も、とびぬけて優秀な人材が日夜を問わず働いても、世界的ヒット商品のひとつも生み出せないのが実情だ」(岡田敏一)

【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず)1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。産経ニュース( https://www.sankei.com/ )で【芸能考察】【エンタメよもやま話】など連載中。京都市在住。

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