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総務省接待で検証委初会合 座長「企業の思惑と行政への影響調査」

 総務省幹部がNTTと放送事業会社「東北新社」から接待を受けていた問題で、総務省は17日、一連の接待が行政をゆがめたかどうかを点検する第三者による「情報通信行政検証委員会」の初会合を開催した。検証委の座長で元検事の吉野弦太弁護士は「接待をする側は費用負担するので思惑がある」としたうえで、それが行政に与えた影響を調べる考えを示した。政務三役の関与も含め、広がっている疑念を払拭するため、事実関係を徹底検証する。

 検証委は吉野氏のほか、放送政策や行政学の専門家、企業経営者の計4人で構成する。通信政策に詳しい有識者の追加も検討している。初会合では、武田良太総務相が「国民の疑念を招く事態となり、深くおわび申し上げる。正確に徹底的に検証を進めていただきたい」とあいさつした。

 会合はプライバシー保護と透明性の確保を考慮し、原則非公開だが、議事要旨を後日公表する。政務三役や、辞職した山田真貴子前内閣広報官や谷脇康彦前総務審議官を含む退職者に関する聞き取りも行う。接待の全容は未解明な部分が多く、報告書をまとめる時期も未定とした。最終報告には再発防止に向けた提言も盛り込む。

 一連の問題では、東北新社の接待に菅義偉首相の長男の正剛氏も参加。東北新社は衛星放送の認定で放送法の外資規制違反を見過ごされたほか、NTTも携帯電話の料金引き下げやNTTドコモの完全子会社化の前後に接待を行っている。

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