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<独自>JR東海副社長と山梨知事が極秘会談 リニア「湧水」問題で協議

 リニア中央新幹線静岡工区のトンネル工事をめぐり、JR東海が山梨県側に流出する湧水と同量を事後に山梨県側から静岡県側へ戻すと提案した問題で、同社の宇野護副社長が19日、報道機関に公表せずに山梨県庁を訪れ、長崎幸太郎知事に初めて説明したことが関係者への取材で分かった。

 JR東海は2月28日に開かれた政府の有識者会議で、静岡から山梨への湧水流出は回避できないと説明。代わりに、先行して掘削するトンネルの開通後、山梨県内のトンネルで発生した湧水をくみ上げて大井川へ流す方法を提示していたが、山梨県に事前の了解を得ていなかった。

 関係者によると、宇野副社長は19日午後、沢田尚夫・中央新幹線推進本部副本部長を伴って県庁を訪問。正面玄関を通らずに知事室に入った。長崎知事は「山梨側の生態系に影響があるかどうか気になるので、詳細が決まれば随時相談してほしい」と強く求めたという。

 次回の有識者会議は22日の予定で、湧水の全量を戻す方法を早めに確定させたいJR東海側が会議直前に山梨県側への根回しを図った格好だ。

 静岡県の難波喬司副知事は産経新聞の取材に、「JRが山梨県側に直接説明したことは評価できる。前に進むのではないか」としたものの、「山梨から見れば、水が一時的に増えてまた減ることになり、どんな影響が出るのか検討すべきことは多いのではないか」と懸念を語った。

 宇野副社長はまた、山梨県内の地上区間に原則として防音・防災フードの設置を求める要望を前向きに検討していると長崎知事に語った。知事は昨年9月、騒音対策や富士山噴火による降灰などの防災対策から防音・防災フードを設置するよう求める要望書をJR東海の金子慎社長に渡していた。

 リニア中央新幹線は品川-名古屋間の9割近くが地下やトンネルだが、山梨県内は83・4キロのうち3分の1の27・1キロが地上区間で、沿線7都県で最も長い。宇野副社長は、防音・防災フードの設置に向けて、地盤の弱い場所などの技術的な問題を検討していると話したという。

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