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五輪海外客断念、迫られる「訪日客頼み」転換

 東京五輪・パラリンピックで訪日観戦客の受け入れを断念したことに対して、大会会場周辺の宿泊施設などからは戸惑いの声が上がっている。ただ、「大会の観戦客は一週間程度の宿泊に過ぎない」など影響は限定的との声も聞かれる。新型コロナウイルス禍で、すでに訪日客から国内客向けに戦略の転換を迫られている観光事業者にとっては、さらなる集客策見直しの機会となる。

 「訪日客が来ないと売り上げは期待できない。残念だ」。マラソンのスタートとゴール地点の札幌大通り公園近くのホテル従業員は残念そうにつぶやいた。大通り公園は、氷雪像が立ち並ぶ「さっぽろ雪まつり」の会場としても知られるが、今年は中止で「札幌駅近くは宿泊者も戻ってきているが、大通り公園やすすきのは壊滅的状態だ」と嘆いた。

 ただ、訪日客についてはすでに昨年からほぼゼロの状態が続いており、五輪観戦の訪日宿泊者が見込めないことに対しても「あまり影響はないかもしれない」とも話した。

 一方、都内のホテル関係者は「ここ数年、五輪観戦者も含めて訪日客が増え続けることを前提にホテルが建設されてきた。しかし、観戦者が来なくて出張需要も減っているので過当競争気味になっている」と指摘。ホテルからマンションへの転用の動きもみられるという。ただ、コロナ禍でも箱根などの人気観光地には国内客が多数訪れており、「国内外の客に魅力を提供できる観光地かどうかが問われている」と話した。(大坪玲央)

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