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JR九州、歴史的建造物を宿泊施設に 第1弾は佐賀と宮崎で

 JR九州は24日、沿線の歴史的建造物を活用した新たな宿泊施設ブランド「茜さす」を創設し、第1弾として来年度に佐賀県鹿島市と宮崎県日南市で2施設を開業すると発表した。地域の日常空間を楽しむ滞在型観光施設を目指し、周辺で運行する観光列車との連携などを含め、新型コロナウイルス禍を経た新たな観光需要の取り込みを目指す。

 鹿島市で今秋開業予定の「茜さす 肥前浜宿」は、江戸初期に整備された長崎街道の脇街道「多良往還(海道)」に面した酒蔵、光武(みつたけ)酒造場が明治中期に別宅として建設した建物を改修。周辺はかつて有明海に臨む港町として酒造業者や水産加工業業者が集積し、往還沿いに残る町屋などは往時の繁栄をしのばせる。

 一方、日南市で今冬開業予定の「茜さす 飫肥」は昭和52年、九州で初めて重要伝統的建造物群保存地区に指定された飫肥藩城下町の一角にある「旧伊東伝左衛門家」を活用する。建物や庭園からは、江戸後期に建設された近代武家屋敷の趣を感じられる。

 肥前浜宿は1日2組、飫肥は1日1組限定で、宿泊料金など詳細は今後、公表する。

 青柳俊彦社長は「歴史ある町を、歴史ある建物の中で過ごしてもらう体験を提供する。(従来型の)『大人数で、大規模ホテルに』というものを敬遠する方にも自信をもってお伝えできる」と語った。

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