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県内旅行支援、「効果は限定的」の声 隣県旅行支援が今後の焦点に

 26日に赤羽一嘉国土交通相が発表した県内旅行の支援策は、全国一斉を前提とする「Go To トラベル」事業の再開までの間、疲弊している地方の観光事業者を支援する狙いがある。ただ、「県内だけでは効果は限定的」との声も事業者からは出ており、感染が落ちついている隣県への旅行を加えるなどの追加策の検討も行われることになりそうだ。

 「熱海のお客さんはほとんどが首都圏から。県民向け支援だけだと効果は限定的ではないか」。静岡県熱海市の観光事業者は複雑な表情でこう語った。

 新型コロナウイルス禍の中、政府は感染防止対策を徹底した上での近場の小規模旅行を推奨しており、実際、昨年トラベル事業を利用した旅行先も「県内や隣県が大半だった」(蒲生篤実観光庁長官)という。

 小規模旅行を会社として推進している星野リゾートの担当者は「感染が広がっていない県と県の間であれば移動も問題ないと思うので、近県で連携してマイクロツーリズム(近距離旅行)を促進してほしい」と話す。

 一方、感染状況が落ち着いていないため支援対象にならない自治体の観光事業者や住民からは「不公平だ」との不満が出てくる可能性がある。トラベル事業は全国一斉で再開される見通しだが、同支援では一部自治体だけがトラベル事業の前に支援を受けられることになるからだ。

 蒲生氏は「対象地域から外れることへの公平性の議論は念頭に置いている」とした上で、「期間を弾力的にするのも一つの考えかもしれない」と述べており、県内旅行の支援策の開始や終了時期を感染の収束に合わせて自治体ごとにずらす可能性を示唆している。(大坪玲央、岡田美月)

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