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大震災教訓、変換所など新設 東西間の電力融通を増強へ

 中部電力パワーグリッド(PG、名古屋市)と東京電力パワーグリッド(東京)は31日、周波数の違う東西間で電力を融通できる能力を増強するために新設した変換所などの運用を開始する。これまで東西間の融通能力は計120万キロワットだったが、今回の増強で210万キロワットへ拡大する予定だ。総工費は約1300億円に上る。

 周波数は東日本が50ヘルツ、西日本が60ヘルツと分かれ、相互の電力融通には周波数の変換設備が必要だ。2011年の東日本大震災では福島第1原発など、多くの発電所が停止し東京電力は電力不足に陥ったが、周波数の異なる西日本からは十分な電力融通を受けられず、東電は計10日間の計画停電の実施を余儀なくされた。その教訓から設備の増強が求められていた。

 運用を始める飛騨変換所(岐阜県高山市)は15年に着工。周波数を変換する前段階として交流を直流に変換する機械や電流の波形を変える設備などが設けられた。豪雪の影響による冬季の2度の中断を経て、20年9月に設備の据え付けが完了。積雪に備えて屋外設備の一部を約2メートルかさ上げし、機械に雪が積もらないよう三角屋根を設けた。

 変換所を建設した工事所の洞浩幸所長は「電力事業者は365日電気を届けるのが使命。変換所は災害時に大きな力になる」と語った。

 今回の融通能力強化の一環として、長野県朝日村にも新信濃変電所を新たに増設。31日に運転を始める。

 中部電PGなどによると、他の周波数変換所を含めて27年度末には融通能力が計300万キロワットまで拡大する予定という。

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