現場の風

測定システムで全固体電池開発に貢献 東陽テクニカ理化学計測部課長 池田 勝紀さん(39)

 --全固体電池の開発向けに製品化した「高周波インピーダンス測定システム」の販売が好調だ

 「当社は主に欧米の装置を輸入販売しているが、顧客ニーズを満たす製品がない場合は自社開発もしている。高周波インピーダンス測定システムもその一つで、全固体電池の主要部材である電解質の性能を評価するための装置だ。2017年に発売し、昨年末に幅広い温度範囲に対応した新バージョンを投入したが、20年10月~21年3月の売上高は前年同期比で2倍以上となる見込みだ」

 --新バージョンの特徴は

 「全固体電池の電解質は固体でできているが、電池性能を左右するその『イオン導電率』をより精密に評価できるよう、独自のプローブ(探針)構造を採用したのが特徴だ。マイナス183~200度という幅広い温度範囲で、精密評価に不可欠な高い周波数でのインピーダンス(流れる電流と加える電圧の比率)測定ができる。従来は観測できなかった固体電解質特有の現象を捉えられるようになり、過酷な条件下で使われる電気自動車(EV)向けの電池開発にも役立てられるようになった」

 --開発の苦労は

 「試作品でサンプル測定を繰り返す中、想定外の技術的問題に何度も直面した。また装置の基幹部分である温度制御部は別の用途向けのものを流用している。蓄積してきたノウハウが生かされ、報われたと感じている」

 --全固体電池への注目が高まっている

 「全固体電池は一部電子機器で搭載が始まっているとみられるが、脱炭素化の動きの中でEVへの搭載が最も有望視されており、35年には市場規模が2兆円を超えるともいわれている。当社の中期経営計画では自動車の電動化に対する研究開発投資を注力分野の一つに掲げている。今後は日本だけでなく海外でも販売を伸ばしたい」

 いけだ・まさき 兵庫県立大理卒。2005年東陽テクニカに入社し、電気化学測定装置の営業部門に配属。17年10月から現職。大阪府出身。

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